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川沿いの古城を思わせるホテル

米沢から夜遅い山形新幹線で終着駅新庄へ。初めて降り立つ駅の風情にこころを向ける間もなく、すぐさまタクシーで宿へと向かった。今宵の宿はニューグランドホテル。といっても、横浜の老舗とは関わりないようだ。

ホテルは川沿いにある。ロマン漂うリバーサイドホテルだ。夜では外観もはっきりとは見えず、エントランスのライトも半ば消されている。だが、ロビーに入ると、まだ煌々と明るかった。

エントランスには欧州の貴族庭園のような装飾が施され、大理石が広いロビーの床に敷き詰められている。天井や柱の意匠も凝ったものだ。この雰囲気から察するに、このホテルではブライダルに力を注いでいるらしい。

フロントはロビーの奥にある。L字型のカウンター脇には、堂々たる獅子像が展示され、訪れる者を歓迎している。柱には、松崎しげるディナーショーのポスターが掲示されているが、この装飾性の中にあっては、いささか浮き上がっているように見えた。

ロビーには多数のソファが置かれ、婚礼に訪れた列席者たちの待合いにも使えるようになっている。チェックインはスムーズに済み、ルームキーとともに入浴剤が手渡された。客室は5階から7階までの3フロアにあり、全62室。エレベータは1基しかない。

用意された部屋はスタンダードなシングルルーム。面積は16平米だという。他の部屋はもっと窓が大きいが、ここはハズレの小窓ルームだ。手前にベッド、奥をデスクなどのスペースにあてているが、ややアンバランス。子供部屋のような印象である。

照明は蛍光灯のシーリングと、ベッドの上にあるデスクに使うようなスポット照明のみだが、それだけでも眩しすぎるほどだ。

この間口であれば、通常ならベッドを縦に配置すると思われるが、横向きに置いているため、足元がだいぶはみ出ている。

デスクユニットはシンプルなカウンター式。卓上照明はなく、シーリングに頼っている。LANは無料。冷蔵庫は空。茶とともにインスタントコーヒーの用意があった。

クローゼットは薄型の置き家具。テレビはその脇に置かれ、白くて丸いスツールが添えられている。この時期、空調は暖房設定だが、弱く入れても暑苦しい。かといって、停めてしまうと寒いしで、温度調節に苦労した。窓のカーテンは新調されたばかりなのか、きれいだった。

バスルームはミニマムコンパクトなユニット。古いデザインのままだが、清潔に手入れされている印象。シャワーカーテンの柄も洒落ている。タオルは大小が1枚ずつで、色は黄。やや大型のサイズだ。

翌朝、改めて外観を見ると、壁は白く、中層階にルーフトップガーデンを持つ造りであることがわかった。すぐ脇にある川沿いの散策も楽しい。朝食は係がひとりきりで対応しており、慌しそう。ブッフェの内容はまずまず。8時を過ぎたら急に混みだした。

宿を9時過ぎに出発し、新庄駅に戻って、今度はローカル線で酒田までの旅。車窓の最上川と青空のコントラストが素晴らしかった。

OFFICIAL WEBSITE

ニューグランドホテル 新庄

このホテルに関する過去のレビュー

初登場のため、過去のレビューはありません。