YKsonic Web | home | concert | kidoairaku>2010 | blog | gallery | profile | contact | |
ロッテシティホテル錦糸町 LUXi Room | |
Lotte City Hotel Kinshicho | 2010.04.18(日) |
東京都墨田区 | 哀-3 |
ARCHIVES ・ 1992 |
チョコレートブレックファストにがっかり この4月6日に開業したばかりの新しいホテルに泊まってみた。ロッテホテルといえば韓国のファイブスターホテルを思い浮かべるが、ロッテシティホテルはよりカジュアルなビジネス型ホテルと位置付けられている。錦糸町のロッテシティホテルは、韓国のロッテホテルズ&リゾーツではなく、日本のロッテが運営していると聞く。 かつてこの場所にはロッテ会館があった。結婚式場やボウリング場を備えた古めかしい設備だったが、昔の錦糸町にはよく溶け込んでいたように思う。だが錦糸町駅周辺も再開発によって大きく雰囲気が変わり、新しい高層ビルが増加しつつある。このロッテシティもそのひとつだ。 建物は地下鉄錦糸町駅に直結しており、JRの駅からも近い。下層階には商業テナントが入居しており、生活感のある庶民的な設備が並ぶ。ホテルフロントは4階、客室は8階から19階に設けられており、客室最上階より上に客用設備はない。 地上にあるホテル用エントランスは通用口程度の大きさ。中に入るとシャンデリアの下がる小さなエントランスホールがエレベータホールを兼ねている。商業施設利用客は、正面エントランスからそのままエスカレータへと導かれる設計。地下2階の地下鉄連絡通路からは、エスカレータが地上まで通じている。 4階のフロントロビーは、商業施設との仕切りがない上に、こぢんまりとした広さ。カウンターでサービスに当たるフロント係の印象は悪くないが、あまりプロらしさは感じられない。チェックイン手続きを済ませたら、フロントロビーにあるマシンで支払いを済ませることでキーが有効になる仕組みだ。 問題はエレベータ。213室の客室に対して2基というのは決定的に不足だとはいえないが、このエレベータは商業施設とも共用になっており、ホテルゲスト以外の人も利用するため、利用人数が多いことや停止頻度が高いことで、極めて長い時間に渡り待たされる。これは致命的。エレベータはホテル専用に改めるべきだ。 館内には開業祝いの胡蝶蘭があちらこちらに飾ってあるが、客室階のエレベータホールにも豪勢なものがふたつ置かれている。その中央にはタワーを思わせる和紙のアートワークが飾ってあり、ここにだけはセンスの良さを感じた。フロントなど、エレベータホール以外にも、同じ作家の作品が飾られ、目を楽しませてくれる。 今回利用したのは、一応このホテルでは最もグレードの高い部屋で名前はリュクシィ。19階と18階にそれぞれ1室ずつ、全館でも2室しかないスペシャルルームで51平米の面積がある。 扉を開けるとフローリングのエントランスホールがあり、一瞬、靴を脱ぐのかと思わせるような造り。脇には集合住宅用と思われる靴箱のような幅広収納があるが、ホテル客室にこのようなものを設けるとは、どういうつもりなのか不思議。 反対側には引き戸のクローゼットがあり、アイロンセットやパンツプレッサーが用意されている。クローゼット内が暗いことが気になった。 入口ドアから延びる廊下を進むと、突き当りはバスルーム。途中に個室になったトイレと、居室へ通じる扉がある。このあたりの構造もまた集合住宅風だ。 廊下から引き戸を入ると、ワンルームタイプの広い居室がある。サイドのカウンターキャビネットには冷蔵庫やウーロン茶と茶器が置かれているが、下の収納ラックはほとんど空の状態で寂しい。泊まるより住んでくれというメッセージだろうか。 リビングスペースにはユニークなベンチソファがL字に置かれ、シンプルなテーブルを囲っている。ベンチソファは、まるでひと昔前の通勤電車のイス。一部分が可動式になっており、自由にレイアウトできるのは面白い。壁に掛かったテレビは42インチ。ソファとの位置関係はとてもいい。 ファブリックの色合いは悪くないのだが、カーペットが非常に薄っぺらなことで、全体の質をかなり安っぽく落としてしまっているのが残念だ。 ソファに添えられたクッションは、シンプルなものの他に、ベルボーイスタイルのコアラが描かれた「コアラのマーチ」型クッションが置かれ、このホテルならではのテイストを強烈にアピールしている。 窓はL字に2面あり、かなりワイドなパノラマウィンドウと言っていいだろう。デスク側にある幅の広い方の窓は、19階と18階にしかなく、このホテルの客室では最大の窓。他の階でこの窓に相当する部分は、単なる壁になっている。 リビングとベッドルームの間に扉はなく、ほとんど一体。ベッド脇にはスリットの仕切りを設けており、インテリアのアクセントにもなっている。 リビングの照明はハロゲンのダウンライトを4つ設けてスタンドを置いていないのに対し、ベッド側はハロゲンダウンをひとつだけにし、フロアスタンドやベッドボードの間接照明でムードを変えている。 ベッドは140センチ幅が2台。シモンズのマットレスを使っている。ベッドボードはドレープと同系のきはだ色と木目。それに対し、煤竹色っぽいスローケットはあまり合っていない気がした。 小さなナイトテーブルには、ナノイースチーマがある。女性には魅力的な設備だろうが、これを置くなら、もう少し大きなナイトテーブルに替えた方がいい。 デスクはカウンター式で、ブラックのオフィスチェアを添えている。隣にはバゲージ台もある。デスクは窓を向いており、日中はデスク面にも直射日光が当たり、作業環境としてはよろしくない。逆に夜は夜景を見ながらデスクに向かえるので、仕事は夜の方がはかどりそうだ。 ベッドとデスクの間にはラグマットが敷かれ、マッサージチェアが用意されている。デスクと兼用のサイドテーブルもあって、使い勝手もいい。 卓上には40インチのテレビ、ハングルでも書かれているホテルディレクトリー、観葉植物などが置かれている他、ウェルカムアメニティなのかプロモーションなのかわからないが、ロッテのガムとその商品説明があった。 また、置いてある宿泊アンケートは、招待されたモニター客を対象としたものであり、きちんと料金を支払って泊まる客の目に触れさせるには失礼な内容だった。 窓からの眺めはそれぞれの方向で違っている。横にワイドな方からは、隣接する高層ビルが近くに見えるため、景色としてよくないだけでなく、向こうからの視線も気になる。ベッド脇の小さい方の窓からは開けた景色が望め、東京スカイツリーの全景も見えるので、今後、ますます人気となるに違いない。 もうひとつ困惑したのは空調。客室の主電源はルームキーをスロットに挿すことでオンになるが、そこからキーを引き抜くと空調も止まる。 外出から戻り、再びキーを差した時、直前の設定が残っていればいいのだが、毎回リセットされる。この時期、デフォルトは24度設定の急冷。それではエコにならないので、28度の冷房に設定したのだが、毎回リセットされ、急に寒くなってから気付いて調整していた。 バスルームにも十分な面積を割き、快適なバスタイムを演出するために工夫を凝らしたことがうかがえるが、基本が集合住宅のデザイン手法であるため、ホテルらしさや上質さには程遠く、使い勝手という点でも疑問の多い出来栄えになっている。 ベイシンのある場所は、脱衣所の雰囲気。床は廊下から続くフローリングだが、引き戸で完全に仕切ることができる。約3平米の面積は脱衣所としては広く、壁にはバスローブが掛かっている。 ベイシンはひとつ。ベイシン下はオープンラックになっており、バスタオルやドライヤーが置かれている。せっかくスツールも用意してあるのだが、ベイシン下がラックでは、座った時に足を収めるところがなく、ドレッサーとしては使えない。こうしたところに頭が回っていないところが、いかにも素人っぽい設計だ。 バスルームは160×180センチサイズのユニット式。床の水はけが素早かったり、節水型のバスタブデザインだったりと、こちらも集合住宅向けの仕様だ。まだ新しいので、清潔感は申し分ない。バスタブ脇には窓が設けられ、スカイツリーを見ながら入浴できるが、夜景を見るにはバスルーム内が明るすぎるのが難点。調光も不可能で、ムードはない。 また、バスルームの窓と建物の窓との間には大きな空間がある。そこに湿気がたまりやすいらしく、入浴後には窓台に池ができる。今はまだいいが、近いうちにカビだらけになることだろう。 長さが160センチあるバスタブの脇はシャワースペースになっており、プラスチックのイスと桶が用意された、和式の入浴スタイル。半透明の扉の脇にも、ベイシン側に向いた半透明の窓があることで、まったく閉そく感のない仕上がりだ。 バスアメニティは女性好みしそうな香りのシャンプー類を大型ボトルディスペンサーで用意。細かいアイテムはベイシン上のトレーにまとまっているが、パッケージがシンプルで面白みに欠ける。クオリティも高くはない。タオルは大小2枚ずつのみと少なかった。 個室のトイレ内もフローリング。110×165センチの広さで圧迫感のない造りになっている。 7階には宿泊客用にゲストラウンジが設けられている。標準ルーム1室分の限られた広さの中に、ソファやいすが置かれ、ネットにつながっているノートパソコンや書物などが用意されており、自由に使える。無料のコーヒーマシンもあるのだが、故障中という張り紙がしてあった。 朝食は1階にあるチョコレートカフェ「シャルロッテチョコレートファクトリー」で提供される。パブリックスペースにある店だが、朝食時間帯は宿泊客専用となり、ひとり1,050円。遊び心はたっぷりの店内だが、ファストフード店レベルのカジュアルさに違和感を覚える。 サービスはあまりに粗末で、他にたとえようがなく話にならない。用意されたプレートには、耳の切り落としかと思うようなパン切れが2枚、食べ残しのような惣菜3種と、傷んだサラダ、ぬるいスープ、チョコレートの菓子、それらが一口ずつ雑に盛られている。飲みものにホットチョコレートが選べるのはこの店らしいが、こんなものに1,050円も取られたと思うと腹立たしい。無料にすべきだ。 |
▲このページの先頭へ | |
OFFICIAL WEBSITE |
このホテルに関する過去のレビュー 初登場のため、過去のレビューはありません。 |