郡山ビューホテル アネックス Twin Room
 
Koriyama View Hotel Annex
2009.12.19(土)
福島県郡山市
楽-2

ロビー
 
収縮する新幹線

東京駅から東北新幹線に乗って郡山へ。乗り慣れた車体だが、新たに気付いたことがある。それは、トンネルなどで車体に掛かる圧力が変わる際、まるでふうせんのように新幹線の車体そのものが膨らんだり縮んだりしていること。窓際に座っていると、その膨らみ加減がよくわかる。勢い余って破裂してしまわないかと心配になった。

バカな不安をよそに、新幹線は疾走する。うっすらと雪化粧した那須を過ぎると、ほどなく郡山に着いた。郡山に積雪はないが、ちらちらと雪が舞って寒い。ホテルまではタクシーに乗るには近すぎる。意を決して歩くとしよう。

郡山ビューホテルアネックスは、駅前からまっすぐに延びる幹線道路に面してる。道沿いは屋根付きの商店街になっているが、今の時代、駅前の賑わいは幻だ。さほど人と行き交うこともなくホテルに着いた。ロビーには、宴席の客だろうか、酩酊した人が多くいた。

真昼間とは思えない騒ぎようだが、ひとりひとりの様子を見ると、純朴そうなじいさんたち。なんだか上機嫌が伝染したような気分になった。チェックインはスムーズに終わり、ロビーに立つマネジャーがエレベータまで案内してくれた。

用意された客室は24平米のツインルーム。客室は7階から12階までにあり、そのうち最も低いフロアだったが、窓から外を見ると、ちょうど日本料理店の庭を近くに望み、むしろ好条件であるように感じられた。庭の他に、さきほど歩いてきた大通りも間近に見える。道路の音に悩まされるかとも思ったが、チェックアウトまでの間、特に気になるようなことはなかった。

スタンダードなツインルームは、ごく一般的なレイアウト。110センチ幅のベッド2台と、イス、テーブル、デスクユニット、バゲージ台といった、典型的な設備である。そして、インテリアは90年代のテイストを残しており、今風なものはひとつとしてないのだが、それがむしろ新鮮さを感じさせる。

ピンク系のカーペットに、ブルー系のベッドスプレッドとカーテン。そこに70年代に流行ったモスグリーン系のファブリックを使ったイス。このてんでバラバラなセンスが面白い。シーリングライトは、ステンドグラスのふちどりに石柄のカバーと、なかなか気張った感じである。

こうしたユニークなセンスはさておき、アームチェアの座り心地は、最近のモダンホテルでよく見かける四角いソファよりもずっと優れている。背中をしっかり支えてくれる背もたれや、適度な広さの座面なども考えられており、実用的なのがいい。

カーテンは窓側の壁全体を覆うが、レースは窓台の高さまで。窓そのものはあまり大きくない。壁紙は艶のある柄入りで、壁のみならず天井全体までをカバーしている。テレビはまだブラウン管で、アナログ放送のみ。LANは無料だが、接続が不安定でほとんど役に立たなかった。無料のミネラルウォーターが1本用意されている。

バスルームは140×180センチサイズのタイル仕上げユニット。清潔感に不足はないが、湯の出が悪かった。タオルは薄黄色で、大小2枚ずつ。バスアメニティは標準的な品揃えだが、ドライヤーが今どきゾウさん式とは参った。

夕食は、猪苗代の友人を呼び出して付き合わせた。外に行くのも面倒だったので館内で済ませることに。だが、最上階にある鉄板焼は満席だし、洋食レストランは貸切。残るは日本料理のみだったが、そこはすぐに予約することができた。

ロビーで友人を待つ間、ロビーの一角にあるソファに座っていた。大理石張りで明るいロビーだが、座るところは少ない。そしてソファーのすぐ脇には、喫煙コーナーがあり、そこからのタバコの煙がロビーに流れ込んでくる。

友人と落ち合い、日本料理店に向かうと、店内はガラガラだった。肉が食べたいという友人のリクエストに最も適うのは「しゃぶしゃぶ」だった。先付けと造りが出た後、しゃぶしゃぶセットが用意された。係がやってくれるのかと思ったが、ほとんどセルフサービスで、ひとり9,240円も出してホテルで食べているという気分にはなれなかった。タレも妙に薄味。それだけに印象も薄い。

 
90年代的内装 ベッドからデスク側を見る 座り心地のいいイス

シーリングライト バスルーム ドライヤーはぞうさん

駅へと続く道を見下ろす 外観 ロビーのクリスマスツリー

 郡山ビューホテル アネックス(公式サイト)
 以前のレビューはこちら→ 初登場


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