ホテル龍名館東京 Concept Single Room |
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Hotel Ryumeikan Tokyo |
2009.12.12(土)
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東京都中央区 |
楽-2
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旅館からビジホへ | 2009年6月1日、東京駅八重洲口からほど近い好立地にオープンしたホテル龍名館東京は、明治から今も続く神田の老舗旅館にルーツを持つユニークなホテルである。 その沿革はホテルのオフィシャルサイトに詳しいが、この新しいホテル棟が建つ前の八重洲龍名館が、ル・コルビジェの弟子であり東京文化会館の設計者として知られる前川國男の設計であったことには触れられていない。余談だが、となりにあったさくら呉服町ビル(旧日本相互銀行本店)も前川國男による設計で、こちらは日本建築学会賞受賞した。 さて、新しい龍名館の居心地はいかがなものだろうか。といっても、古い龍名館を知らない身には、比べようがない。せめて、成りはホテルでも心は旅館ということを心に留めながらチェックインすることとしよう。 エントランスは小ぢんまりとしており、ホテル用エレベータホールと低層階オフィス用のエレベータホール、そしてパブレストランがあるのみ。ホテルエレベータホールには旅館時代の古い看板が掲げてあり、時代を超越した風格を示している。 エレベータは2基あるうち道路側の1基は展望型。フロントは最上階15階にあるので、まずはエレベータで最上階へと向かった。 15階にはフロントのほか、和食レストランとロビーがあって、ソファをゆったりと配したラウンジ風のロビーは、道路に面して眺めがいい。和食レストランの様子をうかがってみたが、夜は7,000円からと値が張るが、ランチは1200円くらいからと手ごろ。チェックインは割とスムーズだった。宿泊代は前金制で、釣りは新札で渡された。 客室は8階から14階にあって、いま昇ってきたエレベータで下降する。客室階はキーアクセスになっていて、ICカードキーをかざさないとボタンが押せないが、キーがあればどの階にでも行ける。 今回利用したのは、コンセプトシングルというタイプ。建物の隣のビルに面した部分にはコの字型の窪みがあり、そこに面して2室のコンセプトシングルBと他2室の計4室がある。今はまだ隣のビルが建っていないので外が見えるが、隣のビルが建つと窪みの部分の上から入る光だけの暗い部屋になりそうだ。 キーをかざして部屋に入ると、はじめはカーテンが完全に締め切られていて、真っ暗だった。電源用のスロットにキーを挿さないと電気がつかないのだが、初めてのホテルではそれがどこにあるのかがわからず、暗闇で探すには不便を感じた。せめて、入口灯くらいは点けておいてほしい。 部屋の広さは約27平米と、シングルとしては広めだ。じゅうたんは紫系の菊花柄で、濃厚な印象。窓はビルの窪みに面して「クの字」に折れているが、あまり大きくはない。カーテンもカーペットと同系の濃い色で、窓部分だけでなく、窓側の壁全体に掛かっている。 140センチ幅のベッドはバスルーム側の壁を頭にして、脇の壁にぴったりと寄せたレイアウト。白いデュベカバー仕上げに紫系のスローケットを添えている。窓際にはソファがふたつ置かれているが、くつろいで座るには小さく、心地よさは感じなかった。 ベッドと窓の間にあるデスクユニットは、天面がカーブを描いて、やさしい印象。ワークスペースとしても十分な広さがある他、バニティミラーもあってドレッサーとしての役割も果たす。冷蔵庫は空だが、無料のミネラルウォーターが1本と、粉末のお茶とインスタントコーヒーが1つずつ用意されている。 テレビは26型で地デジ、BSデジタル対応。LANは無料。気を惹いたのは、やや見栄えのいいボールペンと、テーブルに置かれたオリガミ2枚と折り方の説明書。こうした小物でも、室内の印象は大きく左右される。 客室の天井高は250センチあるが、部屋の真ん中辺に梁がとおっているが鬱陶しく、窓が小さいことも閉そく感を強めている。その埋め合わせになっているのが、ゆとりある床の空間だ。主要な家具を置いても、もうひとつベッドが置けるくらいのスペースが空いており、ヨガなりピラティスにはもってこいの環境だ。エントランス部分も広々としているのだが、クローゼットがとても小さい上に、ひきだしがひとつもなく、収納不足を強く感じた。 バスルームは、バスタブなしのシャワーブースのみというスタイル。通常のユニットバス、しかもかなりゆったりとした広さのものを設置できるスペースがありながら、あえてこのようにしたのは、バスタブなしがモダンでカッコいいという妄想からだろうか。これはあまりいただけない。 バスルーム内は、ベイシンとトイレのエリアと、シャワーブースに分かれている。扉は曇りガラスのスライドドアで、ベイシン上部にも曇りガラス部分を設けている。ベイシントップは石風の人工素材で、床も樹脂系。 シャワーブースは120×80センチサイズで、プラスチック系素材でチープにできている。ハンドシャワーの他に大型のレインシャワーがあるが、実に使いにくいレインシャワーで、浴びながらイライラした。旅館スタイルを強調するなら、大浴場くらい設けてもらいたい。 朝食は1階のパブレストランで提供される。パンとコーヒーとジュースとサラダはビッフェ形式で、メインのプレートのみ運ばれてくる。キウイとトマトと林檎の3種類の自家製ジャムが印象的。だが、スクランブルエッグ少々とベーコン2枚、ジャーマンポテトと海苔のポタージュのメインプレートはしょぼくてガッカリ。 シャワーしか浴びられず、朝食が貧弱だったことで、総合的な印象は低くなった。下手にプレミアムビジネスホテルの後を追うのではなく、明治時代から培った独自の美意識を貫いてもらいたい。 |
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ホテル龍名館東京(公式サイト) | |
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