クロスホテル札幌 Stylish Twin Room |
|
Cross Hotel Sapporo |
2009.11.11(水)
|
札幌市中央区 |
哀-2
|
|
|
過分にクール | 札幌駅から徒歩5分程度、観光スポットとして有名な札幌時計台にもほど近いクロスホテルは、オリックスが手掛けるアーバンテイストのビジネスホテル。大阪にも1軒あり、そちらは一度泊まってみたことがあるが、札幌は今回が初めてである。大阪は以前のホリデイイン南海大阪を改装して使っているのに対し、札幌は新築のようだ。 レジデンスとオフィスを合わせたようなエントランスホールからエスカレータを上がると、2階にフロントロビーがある。ロビーはラウンジ風のモダンなインテリア。デザインが際立つイスやソファが並び、自由にくつろげるようになっているが、はたしてこの雰囲気で心底くつろげるかどうか。 奥にはバーがあったり、傍らにアップライトピアノがあったり、シックが行き過ぎるとドライになりがちなテイストの空間に、それらが人間味や潤いをもたらす役目を果たしている。フロントカウンターはロビーの一角。いわゆるビジネスホテルとして過不足のないありきたりな対応だった。 3階にはレストランがあり、客室は4階から17階まで。3つのテーマに沿った客室は、アーバン、ナチュラル、ヒップのカテゴリーに分かれているが、いずれも都会的な洗練を目指してデザインされている。フロアによるクラス分けは、4〜10階がスタンダードフロア、11〜14階がエグゼクティブフロア、15〜17階がクロスフロアとなっている。 今回利用したのはグレードの低いツインルーム。客室階廊下も、落し物をしたら見つけにくいだろうと思うほどに照明が暗い。そしてお化け屋敷のセットのように、安っぽい材質のものを使っている。ドアを入ると、そこには何もなく、先の居室にすべてが集約されている。 小さなクローゼット、デスクユニット、2台のベッド、スツールとコーヒーテーブルと、必要最低限の設えだ。ベッドはホテルのシンボルマークが入った白いデュベカバーメイク。ここだけがゆったりと足を延ばしてくつろげる唯一の場所である。デスクユニットには空の冷蔵庫、鍵付きの引き出しを備え、液晶テレビが載っている。 デスクトップにはポップアップ式ミラーが設置されているが、デスク前にミラーを掛ける方が使いやすかっただろう。添えられたイスは赤いプラスチック製。見た目にはアクセントになるが、座り心地はよくない。確かに都会的ではあるが、殺風景で退屈で冷たく、居心地がよくない。その最大の原因は、チープなカーペットと真っ白な壁紙。これではどんなデザインも死んでしまう。 バスルームにバスタブはなく、シャワーブースのみを設置している。それもユニット式の安っぽいタイプで、使う前からみじめな気分になる。シャワーヘッドはハンド式と偽レインシャワー。バスアメニティだけはよく頑張っているが、ツインなのにひとり分しかなく、最初からシングルユース仕様だ。ベイシンボウルは透明なガラス製。簡単な仕切りを隔ててトイレがある。 最上階の18階には大浴場も設けられている。夕方から夜に掛けてと早朝時間帯に、宿泊客なら無料で利用できる。大きな窓に面した浴槽や露天風呂、湯上りにくつろぐラウンジがあり、いずれからも札幌の夜景が眺められるが、周囲に建物が建ちつつあるので、いずれ視界は遮られるようだ。 この手のホテルはビジネスでのショートステイには便利だが、心を潤す旅路の途中で立ち寄る宿ではない。急ぎ足で行動し、美意識を働かせるヒマもない人たちのための施設だと感じた。 |
|
|
クロスホテル札幌(公式サイト) | |
以前のレビューはこちら→ | 初登場 |
|
|
公開中リスト | | 1992 | 1993 | 1994 | 1995 | 1996 | 1997 | 1998 | 1999 | 2000 | 2001 | 2002 | 2003 | 2004 | 2005 | 2006 | 2007 | 2008 | 2009 | |
| ホテル別リスト | レストラン別リスト | 「楽5」「喜5」ベストコレクション | | |
|
|
|