三井ガーデンホテル汐留イタリア街 Superior Single Room Type M
Mitsui Garden Hotel Shiodome Italia-gai
2009.03.26(木)
東京都港区
楽-2

エントランス
 
客室係が占領する廊下 汐留シオサイトの一角にイタリアの街並みを模したエリアがある。そこで一番盛っているのは場外馬券売場であって、他に目玉もなく、単なる小奇麗なオフィス街といった雰囲気にとどまり、もったいないことにいまひとつパッとしない。

その中にあるのが、三井ガーデンホテル汐留イタリア街だ。名称を聞けば、汐留という最先端(今更そうでもないが)の東京をイメージさせるフレーズや、イタリア街というこの上なくオシャレそうな響きに期待が高まり、イタリアンクラシックのエレガントな空間とサービスを夢見てしまいそうだが、それは軽率だ。実際はややオシャレなビジネスホテル。この名称には、ほんのりと現実以上に華麗なイメージがつきまとうようだ。

この街区には新橋駅か浜松町駅から徒歩でアクセスするのだが、これがまた結構遠い。かといってタクシーで乗り付けるほどのホテルでもない。天気がよければ道のりも楽しかろうが、悪天候の時には別のホテルにすればよかったと思うことになるかもしれない。

宿泊に特化したチェーンらしく、入口は小ぢんまりとしているが、わかりにくいということはなかった。コンセプト上、どうしても似てしまうのだろうが、外観の雰囲気がモントレチェーンにそっくり。ただ、館内はモントレほどテーマに凝っているわけではなく、すっきりとしたモダンテイストに仕上がっている。

チェックインは15時からだが、14時40分頃に到着して、まずはフロントで手続きを行なった。もし部屋の準備が整っていればそのままキーを渡してくれそうだったが、部屋の最終チェック中とのことで少し時間を求められた。「お荷物をお預かりしましょうか?」と声を掛けられたが、フロント前にいくつか並んでいるイスでそのまま待つことに。

イスには、他にも早めに到着した客たちが座って待っている。ほんの数分で係から声を掛けられ、それから部屋代を支払い、領収証とルームキーを受け取った。それまでイスに座ったままだった他の客たちも、この様子を見るとわらわらとフロントに集まりだした。どうも彼らは15時までは手続きもできず、待つしかないと思っていたようだ

客室へ向かうエレベータは3基あるが、うち左側の1台は「この時間帯は業務用に利用」と表示されており、客は使えない。見ていると、エレベータからリネンのラックをおろして、駐車場へと続く廊下を運んでいった。どうやらこの建物にはサービスエレベータはなく、昼間は客用エレベータの一部をサービス用に使っているらしいが、1基では足りないのか、残りの客用エレベータまでも客室係がゴミなどを運ぶのに使っている。仕方がないとはいえ、気持ちのよいものではない。

建物はL字型で、中央の角の部分にエレベータがある。客室階でエレベータを降りると、すぐ横にサービス用スペースがあるにもかかわらず、ゴミやリネンなどはエレベータホールに堂々と積まれている。いくらビジネスホテルでも、もう少し美観に対する配慮や、客に遠慮する姿勢を見せるべきだろう。

今回利用した部屋は、数あるカテゴリーのうち、約20平米のスーペリアシングルタイプM。客室設備の特徴別にいくつかのカテゴリーがあるが、部屋の広さは20平米か25平米の2種類しかない。タイプMの「M」には「ミュージック」の意味があると思われ、室内に音楽プレイヤードック付きのオーディオを備えている点がウリになっている。用意されたのは比較的高層階だった。

部屋の照明は入口のスロットにキーをさすことで、主電源が入る仕組み。ベッドは140センチ幅で、窓側の壁にピッタリ寄せて設置されており、都度替えしないカバーで包んだデュベの下にシーツを敷いてメイクしている。枕は1つで、クッションとスローケットを添えてある。ナイトパネルはベッドボードに埋め込まれ、窪み状の棚には目覚まし時計とコンセントがある。この窪みだけでは不足だと思ったのか、ベッドサイドには小さなテーブルを添えているが、どうもこれは形状と場所が不釣合いだ。

窓は小さいが開閉可能で、線路越しには浜離宮も見える。だが、それも束の間、線路とホテルの間にあるコインパーキングがいずれビルになれば、ここからの景観は中庭を見るようなものになってしまうだろう。ベッドの前には26インチの液晶テレビが壁に固定されており、地デジとBSデジタルに対応している。テレビの下にはマガジンラック風の設備があるが、マガジン類は一切置いていない。それに並んで、ズボンプレッサーと空気清浄機が置いてある。

デスクはベッドと仲良く並ぶように設置し、デスクに向かっている時でもテレビが観やすいよう工夫されている。デスクのイスは革張りのハイバックで、ガススプリングで上下の調整が可能だが、背もたれはリクライニングしない。デスクの脇には間接照明付きの大きな三段棚があり、そこに観葉植物、携帯音楽プレイヤー用オーディオ、ティーセット、冷蔵庫、金庫が収まっている。ポットはティファール風の瞬間タイプで、800ml入るやや大型のものだが、S-Lineという聞いたことのないメーカー。

それで湯を沸かそうと思った時、棚のひとつしかないコンセントはオーディオに占領されているので、デスクのコンセントを使用した。デスクトップにはコンセント2つとLANの口がある。冷蔵庫は基本的に空だが、無料のミネラルウォーターが一本入っており、お茶は煎茶とマンゴー紅茶のティーバッグが、それぞれひとつず置いてある。クローゼットはバスルームとデスクの間にある空間にオープン式のものを設置しているが、ハンガーは3本しかない。

インテリアはどちらかというと男性的でクール。それなりに質感の高いアイテムもあるが、カーペットのように著しく安普請の部分もあり、全体的には上質とはいえず、いい部分があるだけに足を引っ張るものがあるのが残念だ。壁紙は3種類を使い分けて変化を演出しており、木目も白っぽい部分と黒い部分とがある。

バスルームはユニット式だが、内装に工夫をして個性を醸している。ベイシンはボウル型。ラウンドレールのシャワーカーテンはまとわりつかなくていい。タオルは大小1枚ずつに加え、ワッフル地のウォッシュタオルを用意している。

このほか、13階には大浴場があり、宿泊客は無料で使える。大浴場入口では客室のカードキーが必要だが、カードキーにはあらかじめ男女別がインプットされているのが面白い。浴室には窓があり、当初は開閉できるようになっていたようだが、今ではパテを詰めて固定してある。浴槽の湯は熱め。洗い場は9箇所あるので、少々混み合っても大丈夫だ。

1階にはビュッフェ専門のレストランがあり、ディナーは2200円で提供しているが、結構人気のようで、夜は満席の賑わいだった。隣のビルにはナチュラルローソンがある。また、1階には「ビジネスコーナー」というのがあることになっているが、ビジネスコーナーとは名ばかりで、駐車場に行く通路の途中に、コピー機と新聞の自動販売機、パソコンが2台置かれているだけのものだった。

このホテルには、泊まることを目的とするほどの設備やサービスはないが、単なる出張の宿や観光の拠点と割り切るにはもったいないと思わせるところもある。ビジホ以上、シティホテル未満の使い方がちょうどいい。

 
デスクと入口ドア デスク 窓際のベッド

ベッド前のテレビとラック ナイトテーブル オープンクローゼット

夜の室内 デスクと棚 棚は間接照明付き

棚の観葉植物 湯沸かしポット ナイトパネル

バスルーム ベイシン カーテンレール

窓からの眺め 外観 外観

夜の外観 夜の外観 夜のエントランス

ロビー ロビー エレベータホール

ビジネスセンター 客室係に占拠されたエレベータホール 大浴場への階段

 三井ガーデンホテル汐留イタリア街(公式サイト)
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