クロスホテル大阪 Comfort Single Room |
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Cross Hotel Osaka |
2009.03.21(土)
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大阪市中央区 |
楽-3
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スタイリッシュ空間に立つ紳士 | いつもなら難波のイルクオーレを用意される月一回恒例の大阪出張だが、今回はイルクオーレが満室だったため、クロスホテル大阪が予約されていた。
8年前に一度利用した時は、ホリディイン南海大阪だったホテルが、フランチャイズを抜けてホテルリーヴァ心斎橋となり、その後はオリックスに売られて現在のクロスホテルになった。クロスホテルになった時に館内は大改装され、以前の面影はほとんど残していない。まったくといっていいほど前回利用した記憶をたどることができないのは、もともとそれほど個性のないホテルだったからだろうか。 この日、難波からとぼとぼ歩いてホテルへ向かった。ホテルの位置すら確信が持てずに、なんとなく不安を感じながら心斎橋筋を北上したのだが、結果的には迷うことなく目的地に到達できた。道頓堀にも近いが、そのごった返すような賑わいは、ホテルのあるあたりまでは影響していない。車道が広いだけでなく歩道も歩きやすいし、周囲にある店には高級感があり、銀座のはずれのような雰囲気が感じられる。ホテルの1階にはD&Gのブティックがあり、最先端の服が道行く若者の羨望を浴びていた。 正面玄関まで来たが、やっぱり見覚えすらない。エントランスは赤み掛かったガラスのファサードに囲まれ、一見、オシャレなパチンコ屋かカラオケ店に見紛う感じ。館内に入るとすぐにフロントカウンターがある。その丸くて光るカウンターは、グランドハイアット東京のプールサイドにある光るジャクージを思い起こさせ、カウンター内に水着の美女ではなく、制服姿の男性スタッフがいることに、ちょっとした違和感を覚えた。 チェックインはスムーズに行なわれた。カウンター前には初老のマネジャーが立ち、訪れる客たちに品よく歓迎の挨拶をしている。若々しいスタッフだけでカジュアルなサービスをするのだろうと想像していただけに、立つだけで落ち着きや安心を醸し出せる年かさの紳士的な男性の存在は、意外でもあり感心でもあった。だが、ロビーにイスの類はなく、ロビーラウンジやカフェもないので、待ち合わせや来客時に大変不便だし、部屋以外で一息入れたり、気分転換する場所もないというのはマイナスポイントだ。 客室へ向かうエレベータは2基。ギザギザに配置されているので、初めてだとちょっとわかりにくい印象。この場所も紳士的マネジャーが案内してくれた。建物の低層階にはレストランのほか、スポーツクラブなどのテナントがあり、客室は6階から14階までに配置されている。 客室フロアは3つのカテゴリーに分けられ、6階から8階のアクティブフロア、9階から12階のコンフォートフロア、13階と14階のクロスフロアと名称がつけられている。それぞれに仕様のクオリティが違うようだが、詳細はわからなかった。エレベータはキーアクセスになっており、ルームキーがなければ客室階には行かれない。 クロスホテルのテーマはスタイリッシュ。全館をコンテンポラリーなデザインで統一し、カジュアルで都会的な雰囲気を醸している。高級感や上質さより、カッコよさを強調したかったのだとしたら、とりあえずそれは成功といえそうだ。客室階エレベータホールから廊下にかけては、強い陰影にアクセントが浮かび上がるようなデザイン。室内もテイストは共通しているが、それほどクール過ぎもせず、ホテル客室としての快適性を保っているように見える。 今回用意された客室はコンフォートフロアにあるシングルルーム。24平米という面積は、このクラスのホテルでは破格の広さといえる。室内はブラックとシルバーが基調。入口ホワイエ部分の床はフローリング風のシール張りで、片側にクローゼットがある。居室は直線が多く男性的なイメージ。クッション以外に彩度の高いものはなく、全体にシックにまとまっている。 160センチ幅のシモンズベッドに、デュベカバー仕上げの寝具と、睡眠環境はなかなか。窓際にカウンターデスクを設け、オフィスチェアを添えている。テレビやミニバーを組み込んだユニット家具は幾何学的なデザイン。地デジに対応した32インチの液晶テレビを備える他、空の冷蔵庫、緑茶とレモングラスティーの用意がある。 照明は3箇所のダウンライト、フロアスタンド、デスクスタンド、ミニバースポット、チューブ式ナイトランプと充実。コンセントも室内に8口設けられ、不足はなかった。機能的であることや、限られた空間を有効に活用する点では、なかなか秀逸だと感じられたが、カーペットや家具の質をはじめ、全体のクオリティに上質さは見受けられない。 バスルームも立派ではないが、かなり広く取られている。ベイシンとトイレを配したドライエリアと、洗い場付きバスタブのウェットエリアに分かれており、これほど充実したバスルームがシングルルームに付帯しているのは非常に珍しい。 ベイシンはスタンディングボウル型で、下にはスツールも置いてある。床はホワイエと同じフローリング風シール。ベイシン台の脇には棚があって、タオルやアメニティがカゴにまとめられている。ゆったりサイズのバスタブは湯を溢れさせられるタイプで、丸いミラーのある洗い場には、洗い桶やイスが添えられている。バスルームで過ごす時間が思わず長くなってしまいそうだ。 朝食はレストラン「マエストロ」にて、ブッフェが1,680円で提供される。店は広いが殺風景で、品位にも楽しさにも欠ける内装。従業員のレベルの低さもまた、それに輪をかけているようだった。料理は基本的なアイテムが一通り揃う内容だが、値段だけの価値には程遠い印象だった。上辺のスタイルをつくろうことには長けているようだが、本質のあくなき追求には意欲すらないように感じられる。それを象徴する朝食だった。 |
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クロスホテル大阪(公式サイト) | |
以前のレビューはこちら→ | 011114 |
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