ホテル大蔵 Single Room |
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Hotel Ohkura |
2008.11.25(火)
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鹿児島県鹿屋市 |
喜-1
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見かけによらず | 薩摩川内から鹿屋に向かう途中、串木野にあるラーメン店に立ち寄った。川内市の人が薦めてくれたその店は、宮崎県椎葉村の古民家を移築したもので、まだ開店してからさほど年月を経ていないのに、長い時の流れを物語っていた。店内は今時の流行のラーメン店といった感じで、男性スタッフは威勢よく、女性スタッフはギャルっぽい感じだった。
一押しメニューはまぐろラーメン。あまりラーメンには詳しくないので、他店との比較はもちろん、味付けのあれこれについてとやかく言えないが、このラーメンは美味だった。あっさりしたつゆに、軽く炙ったまぐろが何切れか載っていて、添えられた山葵とともに味わうというもの。こってり派には物足りないかもしれないが、まるで日本そばのようなライトな風味は、ランチタイムにはちょうどよく感じられた。そして、食後にはマンゴーパフェ。「ラーメン店でもパフェがあるのか」とひとりカルチャーショックを受けてしまった。 串木野から鹿屋へは陸上からでも難なくアクセスできるが、素晴らしい晴天だったこともあり、鴨池からフェリーを利用することにした。桜島経由というチョイスもあるが、海上から桜島を眺めてみたいと思い、垂水経由を選んだ。鴨池港に到着した時、ちょうどフェリーが出て行ったばかりだったので、次の乗船を待つ車列の先頭に並ぶことになった。 約30分の待ち時間、車列に並んだままで車を離れても構わないとのことで、しばらく周囲を散策した。ちょうど鹿児島東急ホテルがすぐ近くにあり、寒かった屋外プールを懐かしく思い出した。埠頭では釣り糸を垂れる人たちがいたので、調子のほどを聞いてみると、「いまひとつだなぁ」と苦笑い。小さなイカやキビナゴの子供がたくさん見えているが、お目当てはもっと大きいようだ。 やがて乗船が始まり、船内に駐車してからは、一行でデッキに上がり、海上からの風景を楽しんだ。海上からの桜島は、思っていた通りダイナミックな雄姿を見せてくれ、海上にしてはさっぱりとした風もまた心地よく、短い船旅が一層短く感じられた。垂水から鹿屋までは、海沿いの道を南下して行く。同じ鹿児島県内でも、薩摩川内とは植生がまるで違い、南国の雰囲気が感じられる。 今夜の宿は鹿屋にあるホテル大蔵。名前は似ているが御三家のオークラとは無関係のようだ。英語表記も御三家はOKURAだが、こちらはOHKURAである。ホテル脇には肝属川が流れ、鯉や鷺の姿が見られる。ホテルの正面玄関前は広い駐車場になっており、アプローチには大きな一枚岩にホテル名が彫られ、堂々たる風格を醸している。後に暗くなってから見た時には、岩は闇に隠れていたが、代わりにピカチュウの電飾が煌々と輝き、昼夜のギャップが笑いを誘った。 ロビーはまるで1970年代に迷い込んだような古めかしいムード。到着時はちょうどチェックインラッシュで、フロントは対応に追われていた。3人のスタッフがいたが、いずれもいかつい感じで「アニキと呼んでくれ」なんて言い出しそうな感じ。「全員自衛隊出身です」と言われても、誰一人疑わないだろう。手続きはややぶっきら棒で、低い声で淡々と話し、客を「さん付け」で呼ぶ。それでも違和感や不快感はなかったのは、場の雰囲気というものだろうか。 だが、ロビーをしみじみと見れば、あちこちに花が飾ってあり、一角には飛行機模型の見事なコレクションが展示されていて、ちょっとしたミュージアムだ。エレベータは1基のみで、いつでも待たされるし、いつでも混雑しているが、階段は開放されていない。 用意された客室は6階の禁煙シングルルーム。建物は増築されており、本館に寄り添うようにして新館が建ち、各フロアで連絡している。その新館部分には各フロア8室のシングルがあって、そのうち一番奥の部屋がアサインされた。部屋は細長い構造だが、隅にあるこの部屋はわずかに幅が広くなっている。 ベッドは125センチ幅で、カバーと一体になった寝具を使用している。3方を壁に囲まれ、やや窮屈な感じもあるが、天井高が260センチあるので、閉塞感は軽減されている。最初に部屋に入った時には、ベッドの上に誰かが座った形跡があり、シティホテルならルームチェンジを申し出るところだが、ここでは気にしないことに。 デスクユニットはわりと広く、卓上にごちゃごちゃと物が載っていないのがいい。添えられているのは珍しいデザインの回転椅子で、しっかりとした造りである上にレザー張り。テレビは20インチのワイド液晶で、LANはない。18時から21時まではルームサービスを営業している。卓上にも生花が飾られ、インスタントコーヒーや飲用できる温泉水ボトルが用意されている。クローゼットはなく、コート掛けにハンガーが3本。照明はキースロット連動で、キーを抜くと冷蔵庫や空調も停止する。 バスルームは110×160のミニミニサイズだが、清潔感には問題がなかった。最上階には男性専用のサウナ浴場があり、無料で利用できる。営業時間内でも、使える施設に限りがあり、浴槽は16時から22時半のみ、サウナは18時から22時半までと6時半から9時までとなっている。小さな浴場だが、部屋のバスルームよりは開放感があり、リラックスできる。脱衣場にはエアロバイクが1台ある。 夕方、美味しいコーヒーが飲みたくなって、近所を散策してみたが、落ち着いて過ごせるような店は見当たらなかった。モールにあるマクドナルドにさえ客はひとりもいない。車はたくさん走っているが、店には人がいないのである。ホテルに戻り、フロントの「アニキ」に喫茶店はないか尋ねると、「和光」という店を紹介し、丁寧に道順を教えてくれた。それに従って車で向かいながら、道順の説明がいかに的確でわかりやすかったかを実感した。 そjこはレトロテイストの純喫茶だった。店内には渋いジャズが流れ、こう言っては失礼だが、田舎町にはもったいない洗練が感じられる。デカンタで淹れるコーヒーは深いコクがあり、落ち着いていい時間を過ごすことができた。 朝食はホテル1階のレストランで800円で提供される。店の入口から見た感じではなんとなく雑然としていたが、中に入ってみるとそうでもなかった。シャキシャキのレタスやぷりぷりのトマトがとても嬉しい。くわの実酢というのも初めて味わった。郷土料理アイテムも充実し、なかなかいい朝食だった。 帰り際に、またここでも花束をフロントに差し上げた。「アニキ」に花は似つかわしくないが、館内にたくさん花があるので、きっと役立ててもらえるだろうと思ったからだ。すると、想像以上に喜んでくれ、お返しにと芋のカリントウをくれた。川内といい鹿屋といい、鹿児島の人たちとは、何かが通う感じがする。 |
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ホテル大蔵(公式サイト) | |
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