ホテル東日本宇都宮 Twin Room
Hotel Higashinihon Utsunomiya
2008.06.25(水)
栃木県宇都宮市
楽-2

ロビー
 
足を延ばすだけのお値打ち感 この日、鹿沼市でコンサートがあるので、他の出演者たちと北千住駅で待ち合わせして、東武特急で現地に向かう約束をしていた。少し早めに北千住に着いたので、改札内のカフェで一息入れていたところ、急に周囲が慌しくなった。何事かと思って構内放送に耳を澄ますと、つい今しがた人身事故があって、東武伊勢崎線が運転を見合わせているとのことだった。

すぐさま他の出演者に現状を連絡し、次いで先に現地へ行っているプロデューサーにどうすべきかを尋ねた。その時にはすでに別のアクセス手段を調査済みだったので、事実上はそれでよいかどうかの確認であった。

遅れないように来てくれれば任せるとのことだったので、他の出演者の到着を待って、上野から新幹線に乗り、宇都宮駅からタクシーというルートを取った。宇都宮から在来線を使う方が時間的には確実だと思われたが、他の出演者たちはローカル線を好まないようで、多数決でタクシーに決まったのだった。

急なルート変更は、色々な面でストレスになる。チケットの払い戻しや購入など、面倒なことはすべて引き受けたが、全員分の荷物の手伝いまでは不可能だ。それでも、現地には予定より若干遅れた程度で到着できたので、リハーサルも本番も滞りなく終えることが出来た。

他の出演者たちは、本番終了後に急いで帰ったが、コンサートを見に来てくれた宇都宮の人と共に食事をするためにひとり居残った。宿は取ってあった。そこで食事をすれば、とても都合がいい。ついでに車でそこまで送ってもらえるということも、折込済みである。その宿はホテル東日本宇都宮。今回が初めての利用となる。

場所もよくわからないし、外観も内装もまったく予備知識なく訪れることとなった。現地の人によれば、駅からは2キロほど離れており、結婚式などがよく行なわれる場所というイメージがあるそうだ。それが的を射ていることは、到着してすぐに理解できた。周りに大きな施設の少ない地域なので、広い敷地に堂々と建つ姿は夜でも目立っており、さながら城のようである。

大きな車寄せからロビーに入ると、そのスケール感に圧倒された。最近改装を終えたと見られる重厚なロビーには、ブルーグレーのカーペットが敷かれ、ステンドグラス風の間接照明が埋め込まれた木目の柱がモニュメントのように林立している。そして、その空間ははるか奥の方まで続いているように見えた。正面玄関すぐのところは石張りで、鮮やかな生花が飾られている。

ほう、なかなか風格のあるホテルではないか。宇都宮の迎賓館的存在だろうか。県都にあり、駅からちょっと離れていることなど、水戸プラザホテルとの共通点が多い。フロントカウンターはエントランスから左手すぐのところにある。夜遅いチェックインだったが、上品で丁寧な対応だった。フロントの外にグリーター的な係がいて、今から食事のできるレストランのことを尋ねると、親切に案内してくれた上で、荷物を部屋に入れておくと言って預かってくれた。

というわけで、そのままレストラン「フォンターナ」へ直行。すでに店は閉店モードに近づいていたが、まだ数組の客が食事を続けている。店名が示すように、イタリアンを基本としており、中でもナポリ風の窯焼きピッツァが自慢らしい。コースは数種類あるが、「陽気なピアット」と名付けられたプリフィクスコースが魅力的だった。

4皿構成で1,680円、6皿構成でも2,520円と、ファミレス顔負けのお得プライスである。迷わず6皿にした。アンティパスト、サラダ、パスタ、焼きたてピッツァ、魚料理、肉料理、デザート、コーヒーという充実の内容。確かにピッツァが一番美味しかったが、他の料理も悪くなかった。コンサートのゲストを玄関に見送って、館内を散策しながら部屋へと向かった。

ロビーの奥はトップライトのあるアトリウムになっており、中央にはラウンジ「ハイドパーク」がある。英国風の重厚なインテリアで、高い天井とあいまって古城の雰囲気だ。片隅に置かれたグランドピアノからは、自動演奏のショパンが聞こえている。吹き抜けの周囲は宴会場が配置され、各フロアにはこれまた重厚な家具や、数多くのソファや椅子があり、宴会場全体のスケール感もたいしたものだ。

客室は5階から9階にあり、その内9階だけはスイートなどが中心になっているので、廊下にも特別な内装を施してある。今回用意された客室は7階にある30平米のツインルーム。部屋も最近改装されたと聞いていたが、これで改装と言うには語弊があるのではないかと思わせる。

カーペットや椅子、壁紙などのいわゆるファブリックは、染みや擦り切れが散見されるところから察して、かなり以前から変わっていないし、家具も新しいものはないようだ。強いて言えば寝具とテレビだけは新しい。室内のレイアウトはとてもオーソドックスである。

ベッドは115×203センチサイズが2台並び、マットレスは約6インチの厚さだが、古いものを使っている。寝具は真っ白いデュベカバー仕上げで、赤い格子模様のスローケットを添えた。ナイトパネルにはBGMのスイッチもあるが、流れてくるのは一日中小鳥の声入りモーニングミュージックだった。

窓際にはソファセットがあり、デスクは壁に向けて設置。テレビは20インチと小さいが、その台になっている家具は十分な収納力を持っている。客室の天井高は240センチ。窓からは宴会場のルーフトップに設けられたチャペルやガーデンが見えるが、窓自体がとても汚れていた。

バスルームは160×240センチサイズのユニットで、構造的にも京王プラザのものによく似ている。バスタブのカランはサーモスタット付きで、ベイシンも含め蛇口にはハンドルが付いているので、高齢者でも使いやすいデザインだ。アメニティは壁掛けディスペンサーで、タオルは大小2枚ずつ。ドライヤーは壁掛け式とハンド式のふたつが用意されている。湯量が弱いことと、バスタブの内側を含め、清掃が十分とは言えない点が気になった。

客室の清掃は、10年前のビジネスホテルレベル。もう少し高い意識を持って望んで欲しいところだ。チェックアウトはスムーズに行なわれ、気持ちよく出発できた。場所的には駅前のホテルより不便ではあるが、駅前の相場とクオリティを考えると、タクシーを使ってでもここまで足を延ばす価値は十分にある。

新幹線の待ち時間があったので、土産店を覗いてみた。宇都宮と言えば餃子が有名だが、餃子ばかりでなく、美味しい菓子もたくさんあるようだ。風情のある箱に入った老舗和菓子店の栗最中があったので、土産に3箱購入。ついでに、無病息災のお守りになるという「黄鮒」のストラップも買った。ところが、新幹線の座席下に栗最中を忘れてきてしまった。残念。

 
標準的なツインルーム 寝具は新しくなったようだ 夜のデスク周辺

日中の室内 収納が充実している ベッド

シッティングスペース 窓から見下ろすチャペル 窓からの眺め

ベイシン バスタブ バスアメニティ

冷蔵庫内 エレベータホールのオブジェ ロビー階エレベータホール

玄関の花 ロビー アトリウムの周囲に配置されたたくさんのソファ

重厚なアトリウム アトリウムに面した階段 アトリウムのラウンジ

宴会場ホワイエ このような重厚な家具が多数ある アンティーク風のイス

 ホテル東日本宇都宮(公式サイト)
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