ホテル テラス ザ ガーデン水戸 Twin Room
Hotel Terrace The Garden Mito
2008.05.03(土)
茨城県水戸市
楽-2

ロビーのオブジェ
 
結構式場付きビジネスホテル 水戸駅の周辺には数多くのホテルが建っているが、主にビジネスユースを見込んだ宿泊特化型で、比較的規模が小さいものが多く、中にはだいぶ古くなった建物もある。その中にひときわ洒落たイメージで乗り込んだのがテラス ザ ガーデン水戸だ。最近になって開発が進んでいる水戸駅南口を出てすぐ、ペデストリアンデッキで直結しているという好立地にあり、グレード感を求めるビジネスユースにも応える客室と、時代にマッチしたウェディング需要を取り込める宴会場の両方を備えている。

平日はビジネスマンが大勢宿泊し、週末には婚礼で華やかに賑わえば、ホテルとしては一石二鳥だ。だが、この取り合わせは、求められるサービスの質がまったく違うため、従業員に必要なスキルや感性もそれだけ多様化し、どっちも中途半端という状態に陥りやすい難点がある。ビジネス客には「結婚式場みたいだ」と言われ、婚礼客には「ビジネスホテルみたい」と言われたのでは、足の引っ張り合いだ。まずは、訪れた客の目的を瞬時に見抜き、適切な対応を心掛ける必要がある。

チェックインのためにホテルロビーに入った際、そこには数名の若いスタッフがいた。大きな荷物を持っているのだから、宿泊客だと容易に考え付きそうなものだが、誰も声を掛けはしなかった。別に高級ホテルのようなサービスを期待しているわけではないが、客を案内するでもないのなら、なぜロビーにスタッフを置く必要があるのかと不思議に思ったのである。

初めて泊まるので、フロントがどこだかわからず、しばしきょろきょろと見回していたのだが、特段の反応はなし。クロークのように小さなカウンターがあるが、それ以外にフロントらしいものは見当たらない。そこでこちらから尋ねてみると、そのクロークみたいなのがフロントだと教えてくれた。チェックインタイムよりは少し早かった。そのためか、フロントに係は不在で、ロビーにいた若いスタッフが、奥まで呼びに入っていった。

ほどなく係が出てきてチェックインの手続きをしたが、部屋の準備が整うまで待つように言われ、しばらくロビー周辺を見物して時間を過ごした。ロビーは3階にあり、中央の螺旋階段を囲むようにして、リビングルーム風にイスやソファが配されている。床は石張りだが、対する天井がチープな感じ。螺旋階段もシンボリックな存在なのに、シンプル過ぎて味気なく、公共施設的な印象だ。

吹き抜けの大きな窓の外は石畳の中庭があり、セレモニーホールへと至る「光るガラスの階段」が正面に見えるようになっている。周囲には個性的な宴会場を配置しており、代表的なバンケットホールには、それぞれ独立した専用ラウンジを併設して、ゲストハウス的な空間演出を可能にしている。いずれも雰囲気はいいが質感はいまひとつだ。

待っている間、苦痛に感じたのは、今時メインロビーが喫煙可能であること。そのため、まるで喫煙スペースのような状態になって、皆ここぞとタバコをふかしている。一応禁煙席もあるのだが、あまり意味がないほどだった。部屋の準備が出来たと声を掛けられたのは14時50分。要するにチェックインタイム直前までは部屋には通さないというつもりらしい。

客室は廊下の隅にあるツインルームがアサインされた。隣は非常階段。そしてかなり低層階だったので、窓からの眺めはこのホテルでも最悪の部類に当たり、見えるものは主に空調室外機置き場である。部屋は正方形に近いが、どちらかというと横広い構造のようだ。窓は1面しかなく、しかも隅の部屋だけは他よりも窓が小さい。入口脇にはカーテンを扉代わりに使ったクローゼットがあるが、ハンガーは3本のみ。クローゼットに並んで、ポット、ティーセット、無料のミネラルウォーター2本だけが入った冷蔵庫がある。

窓の近くには、ロビーにあるのと同じカタチのイスがふたつ、まるで新郎新婦が高砂に座るが如く行儀よく並んでいる。デスクは幅が広く、都ホテル東京の7階のとよく似たオフィスチェアを添えている。デスクの下は、浅い引き出しが段とオープン棚になっている。テレビは17インチの液晶だが、画像はきたないし、ベッドから見るには画面が小さすぎる。空調はマンション風の個別式で、他に空気清浄機も備えている。天井高は215センチから265センチだが、低い部分が多いために圧迫感がある。

ベッドは部屋の一番奥まったところに設置されており、105センチ幅とやや狭いが、マットレスはシモンズの8インチ厚のものを使い、デュベや大きめの枕とともに、寝心地のよさを感じさせる。室内の照明は白熱光が中心で、デスクスタンドとミニバーはハロゲン光を使っている。

バスルーム入口は引き戸。内部は160×200センチのユニットだ。ベイシン上にはハロゲンの照明を使っているので明るく、シャワーカーテンは大きくラウンドしているのでバスタブ内でシャワーを浴びる際にもゆとりがあっていい。だが、清掃はあまり丁寧だとはいえない。水ハネ、ホコリ、グラスを置いた跡、セットされているタオルが汚れてるなど、見落としが多いのが気になった。アメニティは大きなボトル式。

客室のバスルームのほか、5階には人工温泉の男女別浴場があり、午後5時から午前1時まで利用可能だ。あまり大きくはないが、混雑していない限り、部屋のバスルームよりはゆったりとした気分が味わえるだろう。人工温泉浴槽のほか、3箇所の洗い場、シャワーブース、小さいサウナがある。タオルは脱衣所に備わっているが、係が見回りに来た際、タオルが明らかに不足しているにもかかわらず補充しないなど、メンテナンスはいまひとつだった。

朝食は通常レストランで提供されるが、今回は混雑が予想されたのか、宴会場での提供となった。6:45からと聞いていたが、その時間に行っても扉は閉じたまま。段々と行列が長くなった。5分遅れてやっとオープン。朝の5分の価値を甘く見るとは困ったものだ。料理はどれもパッとしないが、フレッシュフルーツカクテルとフレンチトーストは悪くなかった。

 
入口から室内を見る ベッドから窓を見る ベッドからデスクを見る

ベッドの寝心地はまあまあいい クローゼットに扉はなくカーテン クローゼット内

バスルーム ベイシンにはハロゲンのスポットが当たる シャワーヘッドとアメニティ

ティーセット 窓からの眺めはよくない 客室階エレベータホール

ロビー ロビー中央の階段 階段の上にはシャンデリア

ロビー階のエレベータホール 宴会場ホワイエ アジアンテイストの宴会場前

中庭 ペデストリアンデッキからレストランを見る 外観

 ホテル テラス ザ ガーデン水戸(公式サイト)
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