ホテルラングウッド Executive Twin Room |
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Hotel Lungwood |
2008.05.02(金)
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東京都荒川区 |
楽-2
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謎の多いホテル | ホテルラングウッドは日暮里駅近くにあるのだが、初めて訪れる人が道に迷うことも少なくないようだ。それには様々な理由があるだろうが、ひとつには駅出口を間違えると、とたんに分かりにくくなるというケース。人の流れにつられて京成や舎人ライナーの改札もある大きい方の改札に行くと、駅前はロータリーになっており、そこから「駅から徒歩1分のはずなのに」と近隣を探す感覚で見渡してもホテルは見つからない。
徒歩1分なのは小さくて目立たないJR南口。それは歩道橋の上にちょこんとのっかったような改札口だ。もしJRに乗ってラングウッドを訪れるなら、この改札を目指すことを覚えておく方がいい。京成の場合は東口から右手に3〜4分歩くと到達する。いずれにしても、ラングウッドは細い道に面しており、加えて周囲を雑居ビルに囲まれているために、遠くから「あれだ」と見つけることは難しい。 「こんなところにまともなホテルがあるものだろうか・・・」と不安を抱きつつ歩き、ホテルの玄関前まで来て、やっとここが目指すホテルだと理解できるような感じである。これも客が迷う理由のひとつだろう。だが、ホテルに到着すれば、そこが思いの外、立派な造りであることに安堵するかもしれない。 正面玄関には車寄せもあり、ロビーは広く大理石張りである。ビジネスホテルではこのような贅沢な空間の使い方は難しいだろうから、ロビーの雰囲気だけでも、ここが宿泊だけではなく様々な目的に応えるために造られたコミュニティ型ホテルであることがわかる。館内には約120室の客室のほか、3店のレストラン、宴会場、コンサート用小ホール、スポーツクラブなどを併設しており、今は無き池之端文化センターの姉妹施設だという。 フロントは広々としたロビーに対して小ぢんまりとしているが、到着時には3名の係がいて、感じのいい雰囲気の中、チェックインはスムーズに行なわれた。ロビーには近隣の職人たちによる製作品がディスプレイされており、下町ならではの工芸を垣間見ることができて興味深い。だが、周囲をよく見るとロビーにはイスがなく、せっかく広いのにもったいない気がした。ただ、環境が環境だけに、タダで座れるイスを数多く並べておくと、大変なことになってしまうのかもしれないが、本当の理由は謎。 エレベータは3基あり、客室だけでなくその他の施設と共用である。人が少ないからか、さほど待たされることはなかったが、エレベータ自体はかなりのんびりとしたペースで動いている。今回用意されたのは最上階にあるエグゼクティブツインルーム。14階は半分が小宴会場になっているため、エレベータホールと客室廊下の間にはセキュリティドアが設置されており、通過にはルームキーが必要だ。セキュリティドアの先に配置された客室はスイートを含めわずか6室。広めの部屋ばかりがあるようだ。 エグゼクティブツインルームは28平米。これはスタンダードツインルームと同じ面積なので、両者の違いはソフト的なものらしい。具体的な差は謎。部屋のドアを開けると、すぐにベッドが目に入り、正面には2面の窓と、その間に設置されたデスクがある。天井高は240センチと低いが、最上階なので梁がなく、窓も他のフロアよりは高くなっている。ベッドは123×195センチサイズで、白いデュベカバーにワインレッドのスローケットを添えて仕上げている。 デスクの正面には、窓の間を利用して大きなミラーが取り付けてあり、デスクサイド下には引き出しと空の冷蔵庫を置いた。テレビは20インチのサムスン製液晶だが、電波のせいか映像がきたなかった。LANは無料で、無料のドリップコーヒーも備わっている。デスクで一番困ったのは照明だった。固定式のスタンドしかないのだが、それがデスクの中央からはだいぶ離れた場所に設置されているので、肝心な作業スペースが暗いのだ。これは改善してほしい。 リビングスペースは、ちょうどバスルームと窓との間、奥まった場所に設けている。部屋のアクセントになっている真っ赤なアームチェアがふたつ寄り添うようにセットされ、丸いテーブルを添えた。その後ろの壁にはクローゼットがあるが、これもまた風変わりだった。片方は棚、片方はハンガーレールなのだが、扉が一枚しかないので、どちらかにスライドさせても、もう一方がむき出しになってしまい、スッキリと荷物を隠すことが出来ない。バゲージ台は入口脇にある。 バスルームは140×180センチのユニットで、室内と一緒に改装したらしく、清潔感があった。タオルは3サイズに加えウォッシュタオルも備えており、アメニティはアロマエッセシリーズを使っている。シャワーはまあまあだが、バスタブ給湯にはかなり時間を要した。この部屋は両脇をスイートに挟まれている。人の存在はそれほど気にならなかったが、テレビの音声はかなり響いてきた。また、真夜中になると天井裏から妙な音が聞こえてくるが、原因は謎。 朝食は1階のレストランでブッフェ形式で提供される。ゴールデンウィークだからか子供連れが多い。それはともかく、子供を土足のままイスに上がらせ遊ばせておくのは目に余った。ブッフェは和洋揃うのだが、どちらもパッとしない。いずれもレトルトを開封しただけのような感じで、弁当の具が並んでいるように見える。その中でまともなのは、新鮮なサラダとその場で作っているフレッシュ野菜ジュースだった。 それにしてもホテル名のラングウッドはどういう意味なのだろうか。「langwood」ならば、ロンドンかどこかにそのような地名を聞いた覚えがある。だが「lungwood」という言葉は初めて知った。「肺で呼吸する森」というイメージだろうか。謎の多いホテルである。 |
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ホテルラングウッド(公式サイト) | |
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