今回初めて利用したメッツ川崎も比較的古いので、改札からエントランスまでは、一度駅の外に出て歩道を回り込むようにしてアクセスするので、徒歩で２〜３分は見込んだほうがいい。ホテル前の歩道に屋根はないので、雨の日だと傘も必要だ。ホテルの正面玄関前はバスターミナル。日中はひっきりなしに人が往来する場所である。

エントランスはとてもこぢんまりとしており、両開きの自動ドアがあるだけで、さほど目立たない。大理石張りの明るいロビーには、2組のソファセットがあるだけで、あまりくつろいで過ごすような空間にはなっていないが、とりあえず待ち合わせ程度は出来そうだ。

フロントカウンターには若い男性の係が立っていた。チェックイン時間よりも少し早かったが、すでに部屋の準備は整っていると、すぐにルームキーを渡してくれた。時間まで意地でも部屋に通さないシティホテルもあるが、ここを見習ってもらいたいくらいである。エレベータは2基。オフィス用のようなさっぱりとした内装だ。

用意された客室は最上階のツインルーム。21平米とコンパクトな空間だが、想像というか覚悟していたよりも快適だった。ドアを開けると、正面にバスルームがある。配置的には外壁に面してバスタブがあるのだが、残念ながらバスルームに窓はない。もし窓付きのバスルームにしていたら、大きな付加価値になったかもしれないが、現状は180×140センチサイズのシンプルなユニットバスである。

バスタブは長さ140センチだが、やや深め。壁は大理石柄のパネルで、清潔感のある状態が保たれている。タオルは大小２枚ずつだが、その他にボディウォッシュクロスも用意している。アメニティはボトルディスペンサーで、ドライヤーは壁掛け式とハンドイオンドライヤーのふたつが備わっている。

ベッドは120センチ幅が2台で、高さは42センチと低めだ。マットレスも薄いが、それでもヒルトン東京ベイのヘタリきったベッドよりは心地よい。寝具はカバーと一体になった羽毛布団を使っている。ドレッサー兼デスクはワークスペースとしてはいささか小さく、デスクに添えられたイスが低くてバランスが取れていない。デスクの下には空の冷蔵庫があるが、その作動音が気になった。

LANは無料。テレビは26インチの液晶で、地デジ放送を見ることができる。窓際にはアームチェアとコーヒーテーブルがあるので、この部屋をふたりで利用する場合でも、デスクのイスと合わせれは、座る場所を取り合う必要はなさそうだ。窓は二重構造だが、眼下に見える駅ホームからの音声が少し聞こえる。そして窓の外側がとても汚れていいるのが気になった。

ここは最上階なので梁がなく、250センチの天井までスッキリとしているが、カーテンは窓よりも少し大きい程度のサイズなので、壁に囲われた部屋という印象もある。クローゼットは柱のような細い出っ張りに設置されており、中には6本のハンガーが用意されている。収納用の引き出しはない。室内設備は基本的にビジネスホテルの仕様だが、地方のコミュニティホテルとしても十分に通用するクオリティが感じられる。

朝食は1階のテナント「つばめグリル」で提供される。ハンバーグステーキで有名な店だが、朝食はひどかった。まずは和洋をチョイスして、それぞれのアイテムを給食みたいにトレーに載せるのだが、カウンターに並べられた料理はどれも美味しそうには見えない。特に冷めて乾いているスクランブルエッグとハムは見るからに哀れである。そして「サラダは洋食だけです」と注意書きも強気だ。

和洋どちらか悩んだが、まだ冷めてもマシそうな和食にすることに。ごはんや味噌汁はセルフサービス。米も美味しくないし、味噌汁は薄かった。コーヒー、紅茶、オレンジジュース、牛乳も用意してあるが、ジュースには氷が入っており、薄まっていた。せっかく客室の印象がプラスポイントだったのに、朝食でマイナスに転じてしまった。