ドアノブ交換
2007.11.27(火)
川崎日航ホテル Deluxe Twin Room
Kawasaki Nikko Hotel
楽-2

ミューザ川崎のパイプオルガンを真下から見る 川崎日航ホテルの開業は1964年8月15日だが、当時の10階建ての建物は取り壊され、1983年には現在の高層建築になった。長い間、周辺に肩を並べるような高層ビルが無かったが、最近は再開発で高層マンションが林立し、いつしかよそから見下ろされるようになってしまったものの、現在でもホテルとしては川崎駅付近で最も高層である。

また、このホテルは銀座日航ホテルとともに日本航空ホテル株式会社が運営していたが、1999年4月1日に株式会社JALホテルズと合併したことで、ニッコーホテルズインターナショナルの一員になった。

ホテルのエントランスは1階にある。車寄せらしいものはなく、多くの人々が行き交う駅前の歩道から、ショッピングセンターに入るような気軽な感覚でホテルに入れるようになっている。ホテルのエントランス脇にもテナントの衣料品店や雑貨店があって、気取った風はまったくない。

エントランスを入ると、小さなロビーになっており、一角にこぢんまりとしたフロントカウンターがある。大理石やブラックミラーを使ったインテリアや、狭いながらもゆとりある空間の使い方が、館外の生活感を打ち消して、ここがホテルであることを実感させている。くつろいで過ごすようなロビーではないが、ベンチシートやラウンドシートが用意され、ちょっとした待ち合わせには不便しない工夫が見られる。

フロントカウンターには、マネジャークラスと思しき男性スタッフが一人だけ立っていた。正規のチェックインタイムには30分ほど早かったが、スムーズに手続きが済み、部屋に入れることになった。

差し出されたのはカードキー。最近のホテルでは少しも珍しくないが、ここでは事情が違うようだ。最上階ではまさにこの日にカードキーシステムへの取替え工事が行われており、アサインされた部屋は工事が完了しているが、これから工事に掛かる部屋もあるので、周囲から騒音が生じるかもしれない、との説明を受けた。

直前に同じ部屋を使った人が普通の鍵で開けた扉を、これから初めてカードで開く。ちょっとした儀式チックな気分だ。チャンチャカチャーンと心の中で効果音を鳴らし、テープカットの仕草をしてからカードを差し込もう。なんて考えながらエレベータを待つが、なかなか来ない。

エレベータは3基ある。だが、それぞれに停止階と行き先が違っており、どれに乗っていいのか分かりにくい。案内表示を見ると、客室階まで行くのは2基だけだ。

客室は 階から20階までだが、20階はデラックスフロアで、デラックスルームのほか、元スイートだった部屋を改装した小宴会場もある。低層階には宴会場やレストランがあるが、直営レストランは1店だけで、あとはテナント。テナントは、ホテルレストランというよりは、地下街の食堂のような雰囲気だ。

20階の廊下は、最近改装したらしく、ダークカラーでコーディネートされた都会的なインテリア。客室は「ロ」の字状に配置されており、内側の吹き抜けに面した部屋も少なからずある。

さて、部屋の前に着いた。チャンチャカチャーンとルームキーを出したが、あれ?キースロットがない?というか、ドアノブもない。どうやらこの部屋の工事は現在進行形らしい。中に係がいる気配はなく、扉を押すと、すんなり開いて中に入ることができた。

室内は清掃が整っており、誰もいなかった。まあ、いいや。これから線路の反対側にあるミューザ川崎でコンサートである。のんびりしてもいられないので、とりあえず荷物を整理して、不要なものは部屋に置いて行くことにした。でも、ロックされない部屋に残して大丈夫か。まっ、いっか。

支度をしてフロントに下りると、チェックインをした係が先に声を掛けてきた。どうやら工事が終わっていないことに気付いたらしく、工事の済んでいる部屋を改めて用意すると頭を下げるが、外出して夜まで戻らないので、その間に工事をするように言い残した。

コンサートが済んで、部屋に戻ったのは21時半頃だった。昼間は慌てていたので、部屋をゆっくり見る時間がなかったが、しみじみ見るとなかなか興味深い。今回利用するのは、シングル2室分にあたる30平米の広さを持つデラックスツイン。スイートがなくなった今では、このホテルで2番目に高級な部屋だ。

ドアを入ったところは前室なのだが、それがスイートの前室のように広く取られていて、ややもったいない印象。クローゼットも幅210センチとワイドで、たくさんのハンガーが用意されているが、前室そのものはとても暗い。居室は2面の窓をもち、窓の上には3本の蛍光灯間接照明があって、なぜか前室の照明と連動している。天井高は240センチと低いが、最上階で梁がないため、圧迫感は軽減されている。

ベッドは120センチ幅が2台並び、マットレスはシモンズ製。羽毛の寝具はカバーと一体になっているタイプだ。反対側にはデスクユニットを配置し、コーナーを利用してミラーを張った飾り棚を設けている。テレビは26インチのVIERAだが、地デジは見られない。LANは無料。また無料のインスタントコーヒーとマグカップが用意されるほか、ミニバーのミネラルウォーターは150円、ソフトドリンク200円と手頃だ。

デスクとベッドの間には、アームチェアとテーブルを置いて、シッティングスペースにしている。家具はそれぞれ立派なものを使っており、明るい色調の木目に金色の装飾が華やかだ。

バスルームは160×200センチの大理石柄パネルのユニットと、やや面白みに欠ける。照明には電球型蛍光灯を使っているが、明るくなるのにやたらと時間を要するのが気になった。カランはサーモスタット付きで便利だが、給湯が遅い。アメニティはフェラガモ。ビューティーセットなるものも用意してあるが、中身は綿棒だけだった。

また、17:00から21:30までの限定だが、ルームサービスで軽食が注文できる。パスタ1,386円、焼き魚膳2,310円など比較的手頃だ。部屋に備え付けのコメントカードに記入してフロントで渡すと、あぶらとり紙がもらえるのもユニーク。チェックアウトもスムーズだった。

 
30平米のデラックスツイン ベッドからデスク方向を見る ベッドはシモンズ製

居室と前室の間に内扉はない 居室から入口を見る デスクの左端には飾り棚がある

無料のインスタントコーヒー付き 入口とバスルーム扉 前室にある幅広クローゼット

ユニットバス アメニティはフェラガモ ホテルを見上げる

エレベータホール 左側がフロントカウンター ロビーのシッティングスペース

 
川崎日航ホテル


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