エアポートホテルのペントハウス |
2007.10.21(日)
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ホテル日航ウインズ成田 Executive Suite | |
Hotel Nikko Winds Narita |
楽-3
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成田の老舗ホテルが閉館することになったというので、一度泊まってみることにした。これが最初で最後の機会になるだろう。ホテル日航ウインズ成田は、1978年3月30日に成田プリンスホテルとして開業。成田空港の開港に合わせて開業する予定が、直前の26日に空港が過激派によって占拠され、開港は5月に先延ばしとなった。
それでもホテルは予定通りに開業し、1989年5月31日まで、成田プリンスホテルとして空港利用者の宿として親しまれた。その後、1997年10月よりホテル日航ウインズ成田として営業している。それから10年。この10月31日で営業を終了することになった。 最初、予約はスタンダードタイプの客室で入れていた。それでも33平米あり、成田のホテルではトップクラスの面積がある。だが、フルーツと朝食が付いて3万円というプランを見つけたので、せっかくのラストチャンスでもあるし、ホテルへのねぎらいも込めて奮発して、予約を変更した。 チェックインを済ませ、向かった客室は8階のエアポートスイート。レギュラールーム2室分に相当する66平米の面積がある、ワンルームタイプのスイートだ。これはこれで興味深い客室だったが、このホテルにはもっと興味深いフロアがある。それは、ペントハウス。単に最上階であるだけでなく、窓の形状など、外観からでも違いがよく分かるが、実際にどう違うのかは、泊まって見なければはっきりしない。部屋に入ってすぐフロントに電話をし、追加料金を支払ってペントハウスのスイートに変更することは可能かと尋ねてみた。すると、追加料金なしで70平米のエグゼクティブスイートに変更してくれるとのこと。ありがたく利用させてもらうことにした。 最上階でエレベータを降りると、そこには高層階宴会場と週末のみ営業のスカイラウンジがある。だが、ちょっと見た感じでは、客室エリアへの通路は見当たらないし、案内表示もなく、エレベータホールの脇に謎の扉がひとつあるだけ。これ以外には考えられないと思い、意を決して押し開けてみた。すると、落ち着いた雰囲気の廊下が続いており、所々に客室らしき扉が並んでいた。 エグゼクティブスイートは、リビングとベッドルームが独立。リビングにはソファセット、オットマン付きシングルソファ、アーモア、デスク、バゲージ台、ミニバーキャビネットを備える。会議などで利用することも多いのだろうか、キャビネットには多数のグラスや茶器が収納されている。家具はいずれも立派なもので揃え、シャンデリアをはじめとした照明器具もそれぞれに存在感がある。額に収まっているリトグラフはカシニョール。金銀の入った和柄の壁紙や、花柄のカーペットも華やか。全体が当時の贅沢感を醸しており、なかなか味わいのある内装だ。 続くベッドルームには、140センチ幅のベッドが2台並び、アーモアとチェスト、バゲージ台、ドレッサーコーナーを備えている。窓際にはテーブルを挟んでふたつのアームチェアがあり、空港の眺めを楽しみながらくつろげるようになっている。特徴的な窓は、リビング、ベッドルームともにとても大きい。床から70センチの高さから天井一杯まで広がり、幅は横一杯340センチとワイドだ。 バスルームは約4.5平米と、スイートにしては狭い部類だが、ユニークな点が多い。全体がタイル仕上げで、そのタイルは比較的新しそうに感じられるが、ベイシントップまでタイルで仕上げているのは珍しい。バスタブは非常に浅く、湯を張っても水深が25センチ以下。カランは、推量が一定で、湯温のみ調節するタイプだ。シャワーヘッドは珍しいものではないが、フックが高い位置にあるため、シャワーヘッドが天井スレスレにあって面白い。アメニティはフェラガモの50mlサイズの他、スイート仕様の品揃えになっている。タオルは3サイズ2枚ずつで、バスローブも備える。 この不思議なレトロ感は、客室だけでなく、館内全体に漂っている。ロビーの色使いや、ソファの形などもそうだが、一番キッチュに感じるのは照明器具のデザインだった。レザーのラウンドシートや大理石パターンの床など、質感は悪くない。そして、ある部分だけがモダンということがなく、全体的にキッチュなままにバランスが保たれているのが面白い。朝食は6時半から提供しているが、和洋中のブッフェの内容はいまひとつだった。めざしやチャーハンなど、ホテルではなかなかお目にかかれないアイテムもあるが、トースト、フルーツも含め、ホテルで提供するにはクオリティが低すぎる。利用しているのはアジア系外国人がほとんどだった。 チェックアウト時、ロビーは驚くほど閑散としていた。深夜の方が活気があるくらいに。すでに閉館してしまったのかと思うほど静かだった。キャッシャーで担当した係に、閉館後のことを尋ねてみた。次のオーナーもホテル業なので、ホテルになるものと思われるが、業態が違うので、どの程度手を加えるのかわからないとのことだった。 |
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ホテル日航ウインズ成田 |
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