クラブハウスのフロントロビーは、平屋ながら天井が高く広々としており、スタッフたちは礼儀正しくとても感じがよい。明るく立派なロビーの脇には、ゴルフ用品を揃えたショップもある。エントランスから真正面に抜けたところには、ゴルフコースを見渡すレストランがあり、通常は軽食を中心に提供されているが、予約によりコース料理も用意してくれるとのことだ。

今回は、蕎麦や天ぷらなどを注文してみたが、これが実に美味しかった。値段は手頃なのだが、巷の店に比べて原価率が高いのだろう。素材がいい上に、丁寧に調理されているので、値段から想像される味よりもはるかに美味しいのだ。コーヒーに添えられるミルクひとつにも手を抜いていない。サービスもまた素晴らしく、都心の外資系ホテルなど遠く及ばない高いレベルにある。おそらく名士揃いのメンバーに日々接することで自然に磨かれたサービスなのだろう。

ゲストハウスには、シングルルームからデラックススイートまで、各種の客室を備えた宿泊施設が整っている。客室からは館内同様に隅々にまで手入れが行き届いたグリーンを望むことができ、よい状態に保たれた芝の鮮やかな色が、疲れた目に安らぎをもたらしてくれる。今回利用したのは最上階にあるスイートのうち、2番目に広いタイプだ。

クローゼットのある広前室からフレンチドアを開いて入ると、リビングとベッドルームを兼ねたワンルームタイプの居室になっている。天井が高く、低いところでも3メートル、最高4メートルというゆとり。2面の窓とバルコニーを持ち、深い配色のインテリアにもかかわらず、室内を明るく感じさせている。リビングには、ガラステーブルを囲んでL字に置かれたソファ、ライティングデスク、ミニバーがあり、壁には42インチのプラズマディスプレイと、ルームシアターシステムを備えている。ディスプレイが埋め込まれた石造りのボードは、背後に間接照明もあり、室内で一番目をひく設備だ。

コンソールで仕切られた向うには155センチ幅のベッドが2台並び、ベッド前にはイスがふたつ向かい合って置かれている。ナイトランプが天井から下がるペンダントというのもユニークだが、照明器具はどれも個性的だ。天井に渡された天然木のスリットと、室内中央の2本の柱もまた、客室に端整な印象を与えている。

バスルームもまた広い。トイレとダブルベイシンを備えたカーペット敷き部分と、石造りのウェット部分に分かれており、ウェット部分には、大きなバスタブと洗い場風のシャワースペースが設けられてる。バスタブ正面にはテレビも備える。石の色が濃い割りには、照明が暗いことが気になったが、バスルームの天井でさえ270センチもあり、ステレオスピーカーも備わっているので、快適なバスタイムを過ごせる。アメニティも充実した品揃えだが、年齢層の高い男性利用が多いからか、あまり洒落たアイテムはなく、シャンプー類はごく普通のものが置かれていた。

清掃も行き届いており、清潔感に不足はない。通常のホテルとは一味違った滞在が楽しめるゲストハウスだ。