民宿的ビジネスホテル
2007.09.13(木)
ホテルアスター Twin Room
Hotel Aster
楽-2

窓からの眺め 小出での公演を終え、楽屋口に待機するタクシーに乗り込んだ。この日の滞在先はスキーリゾートで名高い越後湯沢。小出からタクシーで移動するよりも、新幹線に乗った方が早いのだが、そのようなスケジュールを与えられているので、黙って従うことに。実際、多少時間は掛かっても、この方が楽なのも事実だ。

越後湯沢の宿について、自分で調べたところによれば、この日はNASPAニューオータニが安かった。74平米あるスイート仕様のデラックスツインでも1万円台だったので、よほど抜け駆けをしてそちらに泊まろうかと思ったが、自分だけいい思いをするのは気が引けた。

そんなNASPAを横目に見ながら到着したのは、ホテルアスター。そういえば、昔、横浜の山下公園近くにも似た名のホテルがあり、一度だけ泊まったことがある。中華街に程近いこともあって、いかにもそんな雰囲気のあるエキゾチックなホテルだった。詳細は忘れてしまったが、不思議な倦怠感が漂う空間であったことは、よく記憶している。

名称は似ていても、今回のホテルアスターはまったく無関係。夜だからはっきりとはわからないけれど、街でもない、宅地でもない、リゾートでもない、半端な環境でタクシーが止まった。車を降りて建物を見上げると、町工場のような外観のホテルが建っている。

玄関から中を入ると小さなフロントがあり、普段着の無口な男性がチェックインを行なった。フロントの脇には、ロビーなのかダイニングなのか判断しにくい部屋があり、そこにはテーブルやイスが並んでいる。しかし、そこには食べ残しの皿や生活用品などが散乱していたり、読み終えた新聞が積みあがっており、とても客に見せられる状態ではないのだが、ホテルはまったく気にしていない様子。そこはプライベートエリアだと思うことにしておこう。

フロントカウンター前には、わずかなシッティングスペースがあり、大きな液晶テレビからバラエティ番組のけたたましい笑い声が聞こえている。テーブルの上を見ると、灰皿には吸殻が山のように積みあがり、周辺には灰が散らばっている。こんな調子で、客室内は大丈夫だろうかと不安に思ったが、ロビーでビックリし尽くしたので、客室はむしろ非常に清潔に感じられた。いや、実際に清潔だったのだ。

決して広くはないし、気の利いた装飾もない、どちらかと言えば殺風景でつまらない部屋なのだが、きちんと整っている。ベッドは98センチ幅が2台並ぶが、ベッドメイクは片方だけ。寝具はふとん。空調は家庭用のエアコンと石油ストーブがあるので、寒さに震えることはなさそう。家具はカラーボックスと同じような素材で出来ており、デザイン性は皆無。そんな風だから、馬柄の灰皿がとても生き生きと感じられる。

テレビは最近入れ替えたのか、26インチのVIERAが入っており、地上波デジタル放送も楽しめる。室内の電話機はフロントのみに通じており、外線は掛けられない。バスルームは110×160センチサイズのユニットで、思ったよりもキレイだった。また、2階には家族風呂があり、24時間自由に使えるのが嬉しい。中から鍵を掛ければ貸切にも出来る。

最初はちょっとビックリしたけれど、フロントの男性と接しているうちに、実はとても親切であることがわかってきた。ホテルに滞在しているというより、誰かの家に泊めてもらっているという感覚の方がピッタリ。チェックアウトも「何時でもいいですよ」みたいにアバウト。ロビーには無料で使えるパソコンもあるし、自動販売機のソフトドリンクは100円と良心的だ。スキーに夢中になれる人の長逗留にはいい宿かもしれない。

 

窓は意外と大きい 兄弟部屋のような雰囲気 デスクユニット

テレビは最新型 馬柄の灰皿 内線専用電話機

ユニットバス フロント前 ロビーとダイニングルーム

 
ホテルアスター


公開中リスト | 1992 | 1993 | 1994 | 1995 | 1996 | 1997 | 1998 | 1999 | 2000 | 2001 | 2002 | 2003 | 2004 | 2005 | 2006 | 2007 | 2008 | 2009 |
| ホテル別リスト | レストラン別リスト | 「楽5」「喜5」ベストコレクション |