とんがり屋根のトイレ
2007.06.14(木)
錦パレスホテル Japanese Style Room
Nishiki Palace Hotel
楽-2

夕食に出た鮎の塩焼き 山口県は想像していたよりもずっと広く感じられた。今回は星の図形を描くようにしてあちらこちらに移動したが、目にした風景はどこも日本的で、初めて見るのにとても懐かしかった。この日は川上から渓谷沿いに一度山口市内へと入り、それから中国自動車道で島根県を経由して、六日市から山道を抜けて岩国の奥にあたる錦へと到達した。

山口県最後の宿は、錦パレスホテル。ここは以前、グリーンパレス錦として造られ、つい最近まで公共の宿として親しまれてきたが、現在は第3セクターによる運営に変わっている。運営は変わっても、宿の内容や料金は、ほとんど以前のまま引き継がれているようだ。エントランスを入るとすぐにフロントカウンターがある。そこではおばちゃんとおじいさんが対応に当たっているが、あまり親切な印象ではなかった。

ロビーは広く、数々のソファやベンチが置かれているが、整然とした感じがなく、待合室とか休憩所といった雰囲気だ。テレビがあったり、蛍光灯中心の照明がそのイメージを強くしているのかもしれない。一角にはコーヒーコーナーと書かれたラウンジが設けられているが、営業はしていない様子だった。パブリックスペースには萩焼やクマの剥製などがディスプレイされている。建物は非常にユニークだ。1階から4階まで一直線にのびる階段、尖った三角屋根が連なる外観は、一度見たら忘れられない。

しかし、内装の質は公共施設そのもので、ホテルというよりは公民館に通ずる感じだ。客室はすべてバスなし。今回用意されたのは8畳の和室だった。シンプルな設えで、床の間もないが、広縁とテラスがある。テラスからは山並みが見え、木々の間から蒸気が上がっていく様子を眺めているだけでも楽しかった。すぐ近くに宇佐川が流れているが、それを見下ろせるのは残念ながら反対側のウイング。畳と空調は最近入れ替えたらしく、真新しかった。部屋への案内はないが、テーブルには茶と黒糖栗まんじゅうが用意されていた。ふとんの用意も客室係が行なってくれる。シーツなどは清潔で心地よかった。

オーソドックスな8畳間に対して、トイレはとてもユニークだった。外観の印象的な三角屋根の正体はこのトイレ。非常に天井が高く、黄色にペイントされているのだが、清潔感はいまひとつ。ベイシンもこの部分にあるが、何となく寒い感じだった。アメニティはタオル大小各1枚、歯ブラシ、小さなソープのみで、その他のアイテムはフロントで販売している。浴室は男女入れ替え制で、朝夕で2箇所の大浴場を楽しめる。湯はさらっとした肌触りで、ラドンの含有量が多いらしい。ぬるめなので、長時間浸かっていられる。

夕食は1階の食堂で。宿泊プランに含まれているものが用意されたが、思っていたよりも充実していた。鮎の塩焼き、鮎のから揚げ、石焼ステーキなど、数々の料理が並び、賑やかだった。他のテーブルを見ると、家族連れや60代の夫婦が多い。手頃な料金で利用できるとあって、人気は今でも高いようだ。

 

8畳和室 畳は新しかった 広いテラスがある

トイレの屋根 とんがり屋根を外から見たところ テラスからの景色

1階から4階まで一直線の階段と吹き抜け 温泉大浴場 朝食

 
錦パレスホテル


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