楽屋で受けるホテルサービス
2007.04.21(土)
札幌パークホテル Deluxe Floor Large Twin Room
Sapporo Park Hotel
楽-3

kitaraのステージから客席を見る 札幌パークホテルは中島公園に隣接しており、約半数の客室からは菖蒲池や豊平館を含む中島公園の全景を望むことができる。札幌の中心部からは少々離れているが、この豊かな自然に向かい合う環境は、足を延ばすに十分な価値がある。パークホテルの近隣にもホテルが林立しているが、歴史的にも醸し出される風格も、ここはワンランク上の都市ホテルだと言えるだろう。

市街中心部と違って敷地にも余裕があり、ホテルへのアプローチは長く、正面玄関車寄せは稀に見る広さを持っている。そこへひっきりなしに車が到着し、様々な目的でホテルを訪れた人たちを迎え入れている様子は、活気があって見飽きることがない。ロビーフロアは最近改装され、以前の「昭和」っぽいデザインから、一気にモダンなテイストに生まれ変わった。アイボリーとダークブラウンのコントラストを、柔らかい照明がやさしく照らす空間は、これまで通り広々とした印象がある。中央には開放的なロビーラウンジ「ラッソ」を設けているが、ラウンジにしては座席数が少ない。

フロントカウンターは、正面玄関からもよく見える位置にある。ベルアテンダントが多く配置され、彼らはみな明るく元気だ。宅配の兄ちゃんを思わせる、ちょい体育会系のハキハキとした姿勢が印象的。フロントは混雑していたが、係が十分にいたのでチェックインはスムーズに行なわれた。エレベータは3基。エレベータホールの立派な大理石の壁は以前のまま使われており、今でもひときわ目をひく存在だ。日中はエレベータ前に案内係が立っているというのも今では珍しい。

今回利用した客室は、9階のデラックスフロアにあるラージツインルーム。客室はフロアによって、スタンダード、スーペリア、デラックス、特別階「Park in Park」に分類されており、それぞれに内装や設備が異なっている。興味深いのは最近オープンしたばかりの「Park in Park」。マジなのかギャグなのか判断しかねるほどにユニークなコンセプトルームを設けているが、24平米のシングルが46,000円、60平米のツインが150,000円という驚きの価格設定をしている。東京のリッツ・カールトンやマンダリン・オリエンタルよりはるかに高いのだ。

まぁ、確かに工夫のある部屋造りをしている印象はあるが、変わっているというだけで質感が高いとは思えない。また、どんなサービスを提供してくれるのか知らないが、新千歳空港までロールスロイスでの往復送迎とか、ランドリーからマッサージまで全サービスが無料とか、仮にそういったスペシャルサービスが付帯しているとしてもべらぼうに高い気がするので利用する気がしない。

というわけで、デラックスフロアのラージツインに落ち着いたわけだが、ラージと言っても部屋の面積は31平米。奥行きの割に幅が狭く、ややウナギの寝床のよう。このフロアも最近少しリフレッシュしたようだが、モダンなテイストになった7、8階のスーペリアよりは手を加えた部分が少なく、おそらくファブリックを交換した程度ではないかと思われる。

入口のすぐ脇にはクローゼットがあるが、これがとても狭い。中には色違いのバスローブとパイル地スリッパが2名分用意されている。並んでミニバーがあるが、ミネラルウォーターが350円とやや高め。その代わり、お茶セットは充実しており、珍しいパッケージのお茶の他、ハーブティも用意されている。居室はオーソドックスなレイアウト。110×203センチのベッドがハリウッドスタイルに並んでいる。マットレスはフランスベッド製で、葉っぱ模様のデュベカバーにシーツを一枚あてがっているスタイル。

ベッドの前にはバゲージ台、デスク、27インチ液晶テレビの載ったチェストが並び、窓際にはソファセットが置かれている。窓はそれほど大きくないが、中島公園や藻岩山などが見え、眺めはいい。窓台には空気清浄機もある。LANは1滞在500円。照明は、フロアスタンド、デスクランプ、ふたつのナイトランプだけだが、明るさに不足はない。インテリアのテイストは少々古い感じ。全体が淡い色調でまとめられており、アクセントになるものがなく平板な印象だ。

バスルームは160×240センチで、壁も床もタイルで仕上げている。照明がベイシンのみなので、バスタブ周辺が暗いのが気になった。アメニティは、2種類のロクシタンの他、ハーブの入浴剤なども揃え、充実している。タオルも豊富に用意されていた。

夕食と朝食は1階のテラスレストラン「ピアレ」を利用した。LOHASがテーマの自然派イタリアンを提供するというコンセプトらしいが、ディナータイムは終始ガラガラ。カジュアルな内装なのに、コースで5,000円、8,000円という身の丈に合わない値段設定が原因だと思われる。料理やサービスはなかなかいいので不満は感じなかったが、ロビーに隣接する店ならば、もっと気軽に利用できる内容にすべきだろう。朝食はブッフェでもセットでも2,200円。

店の窓の外にはホテルのガーデンがある。芝がよく手入れされており美しい。滝もあって、夜には品のない電飾とライトアップがなされるが、日中の方が見栄えがする。池はあれど、鯉の姿はないのが残念。朝食を済ませて、朝9時にはチェックアウト。コンサート会場のkitaraまではタクシーを使うよう言われていたが、せっかくなので中島公園の中をゆっくりと散策しながら向かうことにした。

日曜日の朝だが、ほとんど人の姿がなく、気持ちのよい散歩ができた。kitaraの楽屋はとても快適だった。バスルームは大理石張りで、シャワーブースを備えている。リハーサルの合間には、パークホテルのケータリングでランチ。楽屋でホテルのスタッフによるサービスというのもありがたい。

 
細長い客室 デスク周辺 窓際のソファセット

ベイシン バスタブ アメニティ

ロビー階エレベータホール ロビーの一角 フロント前

窓からの眺め ホテルガーデン 夜のホテルガーデン

中島公園から見るホテル kitaraの楽屋 kitaraの楽屋のバスルーム

 
札幌パークホテル


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