クラシックテイストの粋 |
2006.10.09(月)
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ザ・リッツ・カールトン大阪 Deluxe Double Room | |
The Ritz-Carlton Osaka |
喜-4
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伊丹空港からタクシーに乗り、15時ちょうどにホテルへ到着した。ザ・リッツ・カールトン大阪の正面玄関では、ドアマンが恭しく出迎え、木製の瀟洒な扉を開いて館内にいざなってくれた。フロントカウンター前には、チェックインを待つ客の列ができていたが、その客に対応するための係を配置して一組ごとに丁寧な案内を行っていた。フロント係のサービスにも歓迎の気持ちが感じられ、とても好印象だった。ベルアテンダントが出払っていたため、客室への案内を少し待つよう言われたが、自分で部屋にいけるのでと辞退した。
通常なら、部屋に案内された後に、おしぼりとオレンジジュースのサービスがあるはずだが、案内を辞退したからか、そのサービスは割愛された。今回利用した客室は、51平米のデラックスルーム。開業以来のクラシカルなインテリアだが、部屋の隅々までメンテナンスが行き届き、ほとんど劣化を感じさせないばかりか、むしろ年月を経て味わいが深まったようにも見受けられる。ただ、ソファのファブリックに限っては、擦り切れが目立ってきた。 一部客室では現在改装工事が行われており、10月13日から使えるようになるという。改装といってもそれほど大掛かりなものではなく、ファブリックやAV機器、シャワーヘッドの交換などが主になるらしいが、クラシカルなテイストはそのままに、より時代にマッチした客室になるようだ。改装は順次行われ、いずれ全室に達することになるので、今回は旧タイプの見納めになるかもしれない。 部屋に入ると、まずすぐ脇にコンソールがあり、その上には小さなスタンドランプと、キャンディーが入った器が置かれている。コンソールに並んで、両開き扉のクローゼットとミニバーキャビネットがある。クローゼットは広めだが、ハンガーの用意が少ない。続く居室は広々とした空間とコーナーに開けたウィンドウが特長だ。ベッド、ソファとコーヒーテーブル、アーモア、ライティングデスクだけのシンプルな設えで、それぞれの家具は上質でしっかりとした品物を採用している。 昼間は明るい室内だが、夜はやや暗い印象だ。居室にダウンライトはひとつもなく、ベッド両脇のナイトスタンド、フロアスタンド、デスクライトだけで広い空間を照らすには限界だ。しかも、電球が60Wとパワー不足。これで100Wならば、だいぶ明るくなるだろう。また、調光ができるのはナイトスタンドのみとなっている。 ベッドは185センチ幅で、厚手のベッドスプレッドが掛かっており、これはターンダウンの際に外される。マットレスや寝具、ベッドリネンともに、ラグジュアリーホテルらしい高品質のものを使っているので、寝心地は素晴らしい。アーモアに収まっているのは旧式のブラウン管テレビで、チャンネルの内容もさほど面白みがない。テレビ下の引き出しは広く、何も入っていないので、収納に不便がなかった。引き出し内にも、ザ・リッツ・カールトンのロゴが入った紙が敷いてあり、このあたりに手間を掛けている点も、ラグジュアリーホテルらしさを感じさせる。 窓は客室全体の面積から考えるとそれほど広いともいえないのだが、高層階のコーナーウィンドウからは、ダイナミックで圧倒的な景観を楽しむことができる。カーテンは、レース、ドレープ、ダブルのスワッグアンドテールと、4枚レイヤーになっており、しかも上等な生地を使っているので、これだけでも客室の質感をかなり底上げする役目を果たしている。ドレープとレースは電動コントロールが可能。窓際に置かれたデスクは、足に彫りが施されているなど、こちらも存在感が大きい。だが、用意された便箋と封筒は各2枚とケチくさかった。高速インターネットアクセスは24時間ごとに1,995円と高額で、時代錯誤の感がある。 バスルームは約10平米の面積があり、全体をイタリア産の大理石で仕上げている。ダブルベイシン、独立したシャワーブース、個室に仕切られたトイレなど、使い勝手のいい造りだ。バスタブは170センチの長さがあり、ゆったりと足を延ばせるサイズ。エレガントなシャワーカーテンも掛かっており、バスルーム内にも布の質感を持ち込んだ。また、タオル類は抜群の肌触りで、ブルーの糸で刺繍された獅子のロゴが印象的だ。バスソルトやマウスウォッシュまで、アメニティはよく揃っているが、ソープの質がどんどん低下してきているのは残念。 宿泊客はフィットネスセンターのプールとジムが無料で利用できる。ただし、ロッカーと浴室を利用する場合は、別途1,050円が必要だ。ロッカーを使わない場合でも更衣室が利用できるが、1室しかないので、混雑時には待ち時間が生じることもある。また、客室からバスローブを着てそのまま出向くことも可能だ。この日、フィットネスセンターは混雑していた。プールサイドのデッキチェアもほとんどが埋まっており、屋外のジャクージはまさにイモ洗い状態で、ザ・リッツ・カールトンには相応しくない光景だった。 朝食は「スプレンディード」のブッフェを利用した。朝食ブッフェが3,900円とは高いと思ったが、料理の質を考えると、納得できる内容だった。卓上には薔薇の花が飾られ、サービスもエレガントで気持ちがいい。客層の多くは中年女性だったが、外国人の姿もちらほらと見られる。ブッフェ台には様々な料理が並ぶが、最も印象に残ったのはジュース類だった。定番ジュースの他、メロンジュース、キャロットジュース、ミックスフルーツジュースなど、いずれもフレッシュ。そして、トマトジュースはトマト本来の味が生きている美味しさだった。フレッシュフルーツもパパイヤや梨など、ちょっと嬉しいものが揃っている。 このホテルはあと半年ほどで開業10周年を迎えるが、館内のメンテナンスが行き届いているので、まったく古さを感じさせない。モダンテイストのインテリアがどんどん増える中、クラシックデザインは廃ってゆくように感じられるが、改めてこうした空間に身を置くと、クラシックデザインのよさを実感することができる。大阪駅に程近い好立地でありながら、都市の喧騒からは見事に隔絶されている点も魅力的だ。ザ・リッツ・カールトン大阪は、上品で落ち着いた内装と、ふんだんに飾られた花々に囲まれ、心地よい滞在を楽しめる素晴らしいホテルになった。この価値は、ますます高まっていくに違いない。 |
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ザ・リッツ・カールトン大阪 | 971002 010507 011202 |
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