高原リゾートの理想 |
2006.05.27(土)
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軽井沢プリンスホテル 南館 Twin Room B | |
Karuizawa Prince Hotel South |
喜-5
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新緑の季節を迎えている軽井沢には、濃い霧がたちこめていた。気温は10度。プラットホームも、駅舎の内部さえも、霧に煙って霞んで見えた。軽井沢駅からプリンスホテル南館までは、タクシーで5分程度。ちょうど1,000円の道のりだった。静かな佇まいを見せるエントランスに車が近づくと、すぐさまベルボーイが中から駆け寄り、荷物を運んでくれる。フロント係も丁寧なサービスぶり。どの係も非常にレベルの高いサービスを実践していることに驚いた。二十歳に満たないような若いスタッフも、きびきびと真面目に仕事をしており、見ていて気持ちがいい。
軽井沢プリンスホテル南館は、3000名以上が宿泊できる規模を持つ軽井沢プリンスホテルの中でも、特に静けさをウリにしており、小学生以下の子供は入館できないなど、落ち着いた雰囲気を何よりも大切にしている。ロビーは広々としているが、まったく客の姿がなく、静寂そのものだった。傾斜した高い天井、溶岩で造ったマントルピース、誰かと語らいたくなるような大きな円卓など、控えめながらも個性を放つ設えが、これから始まるリゾートライフへの期待を高めてくれる。 用意された客室はロビーと同じ階にあるツインルームのBタイプ。部屋の設備はインテリアは、いささか古さを感じさせるが、その素朴さは周囲の環境に調和している。ベッドは123センチ幅で、ハリウッドツインスタイルに並んでいる。ベッドスプレッドを外すと、毛布の両面にシーツを当てた寝具が現れる。ベッドのすぐ脇には、ナイトテーブルと一体化したライティングデスクがあり、そこには手作りの「てるてるぼうず」と、客室係手書きのメッセージが添えてあった。 窓はとても大きい。ほぼ一面に取られた窓からは、池と緑と空だけしか目に入らず、都会暮らしの人間にとっては、あまりにも非日常的な眺めで、物語の世界を見るようだ。池では、鴨や白鳥、鯉たちが優雅に過ごしている。カエルや小鳥の声も聞こえており、それだけで他にBGMはいらない。そんな素敵な窓のそばには、レザー張りのアームチェアが対面して置かれている。片方は背もたれが高いデザインになっている。240センチある天井からはレトロなペンダントライトが下がり、やわらかな光で室内を照らす。 バスルームはアウトベイシンで、ベイシンはクローゼットに面している。バスルーム内には、バスタブ、トイレ、ビデが設置されており、壁は外壁のようなタイルで、床は大理石で仕上げている。アメニティはポーラのアロマエッセシリーズで揃え、タオルは3サイズを4枚ずつ用意してあった。 朝食は、メインダイニング「ボーセジュール」で提供される。早い時間から来店する客が多いところを見ると、結構部屋は埋まっているようだ。それでも、ホテル内の空気が乱れることは決してない。店内はアトリウム空間的な広がりがあり、テーブルは棚段状に段差を持って設置されているので、どの席からもパノラミックな景観が楽しめる。内容はアメリカンブレックファストだが、卵料理のスタイルや付け合せ、そしてパンの種類などまでが日替わりで変化するので、長期滞在でも飽きることがない。 広大なプリンスホテルの敷地内を移動する場合は、ベルボーイがホテルカーで送迎してくれる。出先の施設からも、そこの係に告げれば、南館の車が数分で迎えに来る。そして、外出から戻ると、部屋番号を確認するまでもなく、顔を見ただけでルームキーが差し出されるなど、西洋銀座やナハテラス並みのサービス水準だ。すべてのプリンスの中でも、抜群のクオリティ。高原リゾートの理想がここにある。 |
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軽井沢プリンスホテル 南館 |
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