カジュアルなオフィシャルホテル
2006.04.22(土)
サンルートプラザ東京 Pleasure Room
Sunroute Plaza Tokyo
哀-1

夜のエントランス サンルートプラザ東京は、舞浜のオフィシャルホテルでは最も早い1986年に開業した。その後、2003年にサウスサイドと呼ばれる新館を増築して、現在は696室の規模を誇るファミリー向けのカジュアルなリゾートホテルだ。ビジネスホテルチェーンであるサンルートの中では珍しく、フルサービスを提供するホテルだが、標準客室の面積や設備のグレード面で、シェラトンやヒルトンよりはワンランク下がる。その分料金も手頃で、パークで思い切り遊びたい若い人たちを中心に人気を博しているが、更にサービスを限定したカジュアルなホテルが次々とオープンする中、微妙なポジションにあるような印象だ。

最初のオフィシャルホテルだというのに、これまで一度も泊まったことがなかった。ホテルの中を楽しむというより、レジャーの拠点というイメージが強く、過ごすためのホテルではないと割り切ってきたからだ。だが、最近は館内の改装に力を注いでおり、ユニークな客室が登場し、ちょっと気になっていた。特に面白いのは、船室を模したクルージングキャビンだが、広いタイプでも20平米未満とかなり狭い。新館であるサウスサイドでは、27.5平米のプレジャールームが標準タイプになっており、今回はその部屋を予約してみた。

チェックインタイムは15時。ちょうどその時間に到着するように出向いたが、フロントの前には気が遠くなるほど長い列ができていた。客室数の割に、フロントカウンターは小さい印象だ。列は順調に進み、順番がやってきた。ホテルもカジュアルなら、係もまたカジュアルだった。「今日は車で来たんですか?」など、サービス人の言葉遣いとしては、くだけすぎている。そうした点を除けば、親しみがあっていい。

部屋へは若い女性ベルアテンダントが案内してくれた。フロントのあるウエストサイドから、ショップが並ぶサウスサイドアベニューを通り、サウスサイド用エレベータに乗る。降り立ったエレベータホールには、大きなミラーが立て掛けるようにディスプレイされ、濃いブラウンが落ち着いた雰囲気を醸す。廊下はまだ清掃係達が占拠している状態で、ワゴンを避けながら廊下を進んだ。

客室は思い切りタバコ臭かった。だが、ここで文句を言っても、満足できる対応は期待できないと諦めた。また、窓の向うでは、2007年3月にオープン予定の新しいホテルの建設工事が行われており、その騒音も凄まじかった。

室内のインテリアは、アメリカンな雰囲気が色濃く、この場所にあるよりも、大阪のUSJにある方が似合うようなイメージだ。客室は細長く、天井高は272センチある。室内は、扉のない薄いクローゼット、テーブルを兼ねたロングカウンター、2台のベッド、ベッドにもなるロングベンチとコーヒーテーブルで構成される。ロングカウンター前には、幅の広いロングミラーを設置し、室内を広く見せると同時に、カウンターに並んで一度に支度ができるようにと工夫したそうだ。カウンターの隅には小さな液晶テレビが載り、その下がミニバー冷蔵庫とポットなどを収納する棚になっている。

窓際のベンチシートは、座面が硬く座り心地は悪い。ベッドは105センチ幅で、カバーと一体化した寝具を使っているが、マットレスはシモンズ製で悪くない。寝具やシーツに、タバコや食べ物の臭いが染み付いているのが気になった。やはり、部屋で過ごす時間が長くなると、あまり居心地がよいとは思えない客室だ。コンセントが多数あるのは便利だった。しかし、この客室にはLANがない。また、室内で携帯電話を使うと火災報知機が作動するので、使わないようにとの注意書きがあった。

バスルームは、よく工夫されている。アウトベイシン、独立したトイレ、洗い場付きのバスルームから構成され、トータルで約5平米を割いた。ベイシンはボウル型で、タオルやアメニティは上や下の棚にコンパクトに収納している。バスタブは深いが、長さは140センチ。壁の一部が窓になっており、自然光が入るのがいい。残念なのは、清掃状況が悪いこと。カビが多く、あまり触れたくないと思わせる部分が多かった。

夕食は、コーヒーハウス「カリフォルニア」のディナーブッフェ2,980円を試してみた。店内は、お年寄りから小さな子供まで、幅広い年齢の客でごった返している。活気があって楽しい雰囲気だ。料金が安いので、コストがかかる食材はあまりないが、パスタは美味しかった。逆に、ローストビーフやカニはイマイチ。ソフトドリンクバーも料金に含まれる。

ホテルの規模は大きいが、館内に遊べる設備はほとんどなく、10分も見て回れば、もう退屈してしまう。かつては中庭に屋外プールもあったが、今では退屈なガーデンになっている。やはり、ここはパーク目当てで泊まるのでなければ、ちょっとキツイかも。

 
27.5平米のプレジャールーム 室内奥から入口方向を見る ベッドは105センチ幅

幅広ミラーが印象的なロングカウンター 硬いロングベンチ テレビは小さい

ベイシン上にはアメニティが ベイシン下にはタオルやオケが 洗い場付きバスルーム

エレベータホール サウスサイドアベニューにあるベンチ 中庭

 
サンルートプラザ東京


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