カレッタ汐留の展望エレベータで46階まで一気に上昇。外が見えるエレベータとしてはとても高速なので、ちょっとしたスリルと共にどんどん地上が遠ざかっていく感覚を楽しむことが出来る。46階からは、また別のエレベータ、もしくは階段で47階に上がると、そこは「ビーチェ」と「ZIPANGU」のスペシャリティレストラン2店舗しかないトップフロアだ。
フォーシーズンズホテル椿山荘東京のメインダイニングとして日本に上陸したことで、「ビーチェ」の名前はよく知られるようになったわけだが、フォーシーズンズの店舗がクラシックで豪華だったのに対し、こちらの直営店はモダン。それも、モダン風というのではなく、かなりモダンだ。そして、天井の高い店内はとても広く、大きな窓からは東京都心部の景観を独り占めするかのような眺めが素晴らしい。どの席からもその眺めを楽しめるよう、窓際席と奥まった席とでは段差を設けている。
昼のコースは3種類。最も手頃なものを注文したが、それでもアミューズから始まり、アンティパストセレクション、スープ、パスタ、魚または肉料理、デザート、コーヒー、小菓子まで出るしっかりとしたコースだった。また、自家製のフォッカチャはとても美味しく、何も付けずに食べることを薦められた。パスタやメインの料理もいい出来栄えで、値段以上の価値を感じた。
サービスもよく行き届いている。客同士のちょっとしか会話にも注意を払っていて、苦手な食材について話していたら、それをさりげなくどかしてくるという気遣いがあった。店内のアートに目を向ければ、積極的に説明をしてくれる。この時は、店内に村尾里奈氏の彫刻作品が展示されていた。
それほど親しみのあるサービスタッチではないが、リラックスしながら自然体で振舞っており、仕事自体を楽しんでいる感じが伝わった。BGMはイタリアンポップス。極めて都会的な雰囲気の中、オーセンティックな料理が味わえる優良店だ。
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