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2005.12.07.(水)

会津若松ワシントンホテル Single Room
Aizuwakamatsu Washington Hotel
喜-3 心地よいレストラン
シングルルーム
名古屋から新幹線を乗り継いで郡山へ、そこからは在来線で会津若松へと向かった。スピーディーな新幹線から乗り換えた電車は、野山を縫うように、ことさらゆっくりと走っているようにも感じられた。途中、雪を頂いた磐梯山が陽を浴びて輝いて見え、息を呑むほど美しかった。

公演を終えた後に泊まった宿はワシントンホテル。言わずと知れたビジネスホテルチェーンだが、所によってはその土地のランドマークホテルとして、ビジネスホテル以上の役割を果たしていることもある。会津若松のワシントンホテルは、まさに会津若松を代表するホテルであり、宿泊のみならず宴会や食事にと、地域のビジネスシーンに欠かせない存在だ。

ロビーにはヨーロピアン調のソファやテーブルが多数並び、待ち合わせやくつろぎの空間として便利だ。フロントは奥まった目立たない場所にある。フロント前には日用雑貨などが陳列され、フロントで購入できるようになっており、さながらミニコンビニのようだ。

客室の設備はさすがにビジネスホテルの域を出ない。約14平米のシングルルームは、125センチ幅のベッドとデスクユニットがあるだけで精一杯。デスクは奥行きがなく、脇には最近導入されたばかりの液晶20インチテレビが置かれている。室内に引き出しはひとつもなく、冷蔵庫にはビールが3本だけ入っている。無線LANを備え、利用料は500円だった。

バスルームは1.8平米の狭いユニットバスだ。バスタブが小さいので、膝を曲げないと湯に浸かれない。アメニティも乏しく、タオルは大小が1枚ずつだった。だが、清掃は隅々までよく行き届いており清潔だった。また、スナックポーターというユニークなシステムがあり、レストランからデリバリーを頼むことが出来る。ルームサービスに似ているが、違いはデリバリーされた時点で現金払いをするということ。メニューも充実してる。

チェックインしたのは21時半を過ぎていたが、夕食がまだだったので、最上階にある「ガスライト」に行った。地方に行くとレストランの閉店が早くて不便に思うことが多いのだが、ここはラストオーダーが23時と遅く、とてもありがたかった。夜はバーとしての色が濃く、テーブルチャージが掛かり、テーブルにつくとまずドリンクオーダーから尋ねられる。

ペリエで乾いた喉を潤しながらメニューを見ると、きちんとしたコースから、様々なアラカルトやおつまみ的な一品まで、バラエティに富んだ品揃えに、思わず食欲が刺激される。だが、夜も遅いことなので、ぐっと堪えてクラブミートサラダとマカロニグラタンを注文。スタッフは膝をついてオーダーを受けていた。

程なく運ばれてきたサラダは、ガラスのボールに高々と盛り付けられ、昔風で懐かしい。野菜はどれもシャキッと新鮮だ。レードルに入ったドレッシングをかき混ぜながら、「何のドレッシングだろうね」と話していると、通りかかったスタッフが静かに近寄りきちんと説明してくれた。取り分けようとすると、スッと取り皿が出てくるなど、サービスは非常によく気が付く。決して店がヒマだということはなく、楽しげに飲んでいる客で賑わっていた。

料理の味にも、店の雰囲気にも、サービスにも、何一つひねりなどない。だが、それが何とも言えず心地よかった。70年代のような、懐かしくて安心感のある店がまだ日本にもあると知って、胸が熱くなるほど嬉しかった。

125センチ幅ベッド コンパクトなバスルーム

[会津若松ワシントンホテル]

Y.K.