古都の秋を楽しむには季節が早いが、待望の三連休とあって、京都のホテルはどこも満室に近かった。予定を立てたのは1ヶ月ほど前だったが、その時点で空きのあるホテルは限られており、しかも料金がかなり高い。その中では前回滞在した時の印象がよかった全日空ホテルが一番魅力的だった。
京都駅からホテルまでは、シャトルバスが運行されているので利用してみた。八条口ロータリーに乗降場所があるが、専用のスペースがあるわけではない。だが、車体に大きくホテル名が書かれたバスはわかりやすく、すぐに見つけることができた。
ホテルに到着すると、着物姿のベルガールたちが出迎える。京都らしい粋な演出だが、荷物を運ぶのは大変そうだった。館内にはあちこちに花の鉢植えやアレンジメントが配され、華やかな雰囲気だ。サービスのタッチといい、どこか旅館のような風情を感じさせる。
客室はキャッスルビューのダブルルーム。廊下の隅に位置する部屋だった。隅の部屋は若干広く取られていることが多いのだが、このホテルの場合は微妙に狭くなっている。そのため、室内が細長い印象。200センチのキングサイズベッドは、白いデュベカバーで仕上げている。その足元にデスクユニットとバゲージ台があり、やや窮屈な感じがする。その分、ベッドから窓までのスペースにはゆとりがあり、シッティングスペースからは縦長の窓を通じて、二条城の眺めを楽しめる。
バスルームも縦長で、ベイシン、トイレ、バスタブが一列に並んだタイプ。サロン用のシャンプー類、デンマンブラシ、くるくるドライヤー、イオンドライヤー、バニティミラー、靴乾燥機、加湿器、パンツプレッサーと、小物アイテムがあれこれ揃う。その他のアメニティも、他の全日空ホテルと比較しても充実している。タオルは3サイズが4枚ずつ用意され、バスローブも備わる。
ロビー階にある「コトラウンジ」は滝に面して高い窓を持ち、しっとりと落ち着いた雰囲気だ。運よく窓際の席が空いており、滝を見上げながら「秋色三昧」というセットを楽しんだ。マロンケーキ、かぼちゃプリン、バニラアイスクリームが和風の器に盛られ、コーヒーか紅茶が付いて1,000円。ケーキセットよりも安いのが魅力的。だが、サンプル写真に比べると実物はずいぶん貧弱だった。また、ラウンジ内に置かれたアクリル製の透明ピアノや、オルゴールのBGMはこのホテルには似合わない。
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