八戸には国際的なシティホテルがなく、グランドホテルやプラザホテルといった、地元資本のホテルが迎賓館的な役割を果たしているが、ここ八戸ではワシントンホテルもそれに次ぐグレードのホテルとして、ビジネスマンや観光客に愛用されている。大都市では手軽なビジネスホテルでしかないワシントンホテルも、地方へ行くと、全国チェーンの知名度を生かし、人が集うといえばワシントンホテルというような、コミュニティプラザ型ホテルとして名を馳せていることも少なくない。
八戸の中心は、新幹線の八戸駅周辺ではなく、八戸線本八戸駅周辺に開けている。八戸に2軒あるワシントンホテルは、どちらも本八戸に近いエリアにあるが、それでも本八戸駅から徒歩15分、八戸駅からはタクシーで15分とアクセスがいいとは言えない。今回利用した八戸第1ワシントンホテルの周辺は、多くの飲食店やショップがあり、賑やかな環境だ。
1階にはコンビニエンスストアがあり、フロントは2階に位置している。レンガ色の外観はなかなか重厚な雰囲気で、軽々しい建築の多い最近のビジネスホテルに比べると、圧倒的な存在感がある。すべてのサービスはフロントに集約されるが、どの係も非常にキビキビとしており、気持ちがいい。「いらっしゃいませ」「おはようございます」「ありがとうございました」といった基本的な挨拶は、模範のように素晴らしい。
利用した禁煙のシングルルームは、フロントのひとつ上、3階に位置していた。13平米程度だろうか、とてもコンパクトだ。入口のスイッチでは入口灯しか点灯せず、他の電気系統を作動させるには、ルームキーをナイトテーブルのソケットに差し込まなくてはならない。ベッドは窓に頭を向けるユニークな配置。部屋が狭いせいか、120センチ幅のベッドが、140センチ幅くらいあるように見えた。窓の外はビルの壁で、眺めはゼロ。バスルームは思ったよりも広かったが、バスタブは小さい。楽しい演出などまったくない客室だが、清潔感だけは十分だった。
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