万博が終わるまでは、名古屋で宿を探すのに大変な苦労がある。料金はどこもここぞとばかりに高騰しているし、まともなホテルにはほとんど空室がない。まさに名古屋はバブルの賑わいだ。だが、この日は東京第一ホテル錦に、手頃な価格で空室があった。他に初めて利用するような興味深いホテルはないかと手早く探したが見つからない。まごまごしていたらこのホテルも売切れてしまうかもしれないと思い、迷わず予約を入れた。
今回利用したのはデラックスシングルルーム。どうも2名で利用する場合はダブルルームとして販売されているらしい。21平米のスペースに160センチ幅のベッドが入り、濃厚なカラースキムとヨーロピアンスタイルのインテリアでコーディネートされている客室だ。デスクユニットにはテレビが載り、サイドに3段の引き出しを備える。その傍らにはミラーを効果的に使ったミニバーキャビネットがある。
ベッドとデスクの間、窓の近い所に、アームチェアとコーヒーテーブルを置いたが、割とどっしりとしており、大きな存在感を示している。4月から全室でLANが無料で使えるようになった。窓にはカスケードの装飾を伴ったドレープが下がるが、窓の外には隣のビルの壁が立ちはだかり、室内は昼なお暗い。バスルームはシンプルなユニット式だが、2人分用意されたアメニティには、ささやかな思い入れが感じられた。
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