2005.05.12.（木）

松阪フレックスホテルは田舎のビジネスホテルかと思っていたが、建物も大きく、宴会場、各種レストラン、スポーツクラブを備える街のランドマーク的なホテルだった。周辺にはコンビニエンスストアさえなく、用事はすべて館内で済ませなくてはならないが、滞在中、大きな不便を感じることはなかった。

そして何よりも驚いたのは、フロントにいた一人の青年だった。チェックインを担当したのも彼だが、非常によく気が利く。表情もいいし、丁寧で正確なサービスをするだけでなく、何よりも親切さが溢れ出ていた。大きな荷物を見ると、カウンターの外に走り出て、カートを用意し、荷物を運んでくれる。

フロントの前で、連れ達とコンサート会場までのアクセスをどうしようかと相談していると、所要時間や場所の案内をしてくれ、タクシーの手配も迅速だった。時間になってフロントに降りると、「すでにお車の準備が出来ております」と、顔を覚えていてすぐに声を掛けてくれるのだった。知らない土地で、こうしたサービスに接するのは、非常にうれしいものだ。

客室は、本館の14平米のコンパクトなシングルルーム。シンプルで、いかにもシングルルームという設えだが、液晶テレビや無料のLAN、冷水ポット、最新式の湯沸しポット、ミニバーを備えている。無料ではないが、冷蔵庫に備えられた各種飲み物は、自販機もコンビニもない環境ではありがたかった。バスルームはタイル張りのユニット式で、バスタブの横幅や深さにゆとりがあった。

フロント近くにはロビーラウンジがあり、空き時間にケーキセットを注文してくつろいだ。店内は喫茶店風で、働いているのは近所の主婦のパートだろうか、素人風のサービスには気取りがなく、素朴な感じがこの街には合っている。ケーキは工場から運ばれてきた既製品だが、コーヒーは美味しかった。レストランでの朝食も思いのほか充実していた。

[松阪フレックスホテル]