2005.01.23.(日) |
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ホテル日航新潟 The Nikko Floor Superior Single Room Hotel Nikko Niigata |
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楽-2 白根の大凧 | |
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ホテル日航新潟は、国際コンベンション施設「朱鷺メッセ」に隣接している。信濃の空に高くそびえるタワーは、高層ビルがまだ少ない新潟ではひときわ目を引くと共に、リバーサイドのロマンチックなロケーションとあわせて、スタイリッシュなイメージを放っている。だが、確かに遠くからもその存在は見えてるのに、アクセスは思ったよりもわかりにくかった。地元に暮らす人の運転する車で向かったのだが、途中何度が迷いそうになった。ホテルが近づくにつれ、周辺は倉庫や市場ばかりが目に付くようになり、朱鷺メッセができるまではあまり普通の人が近寄る場所ではなかったようだ。
ホテルの正面玄関も非常にわかりにくい。案内表示が控えめなことに加え、本当にこれがホテルのエントランスかと思うほど、そこはあまりにもさっぱりとした造りだったからだ。美術館やオフィスもあるので、ホテルのエントランスは他に独立しているに違いないと思ったが、どうやら入口らしい入口はここだけらしい。夜10時を過ぎていたので、人影もまばらで、最後まで疑念が払拭できなかった。 館内に入っても、そこは公共施設そのもので、装飾のないエスカレータを上がるうちに、住民票を取りに来たか税金の相談に来たような気分になっていた。不安に思いながら3階まで上がると、やっとホテルのフロントカウンターが目に入った。だが、そこすらもホテルとしては薄味の空間で、大学や図書館を彷彿とさせる。しかし、サービスは夜遅いにもかかわらず快活で心地よく、チェックインは笑顔でスムーズに行われた。客室まではベルボーイが案内してくれた。 客室は29階ニッコーフロアのシングルルーム。エレベータから客室までの廊下は、照明を絞り込んだシックな空間だ。そこから客室へと入ると、明るい照明と軽やかで楽しいインテリアに、気分もパッと華やぐ。客室によっては床までが窓になったタイプもあるが、今回の部屋は建物の側面にあるので、窓は横長でそれほど大きくはなかった。それでも、遮るもののないウォーターフロントらしい眺めが楽しめる。タックアップのレースと、高い天井から下がるグレーのドレープが印象的だ。 ベッドはダブルサイズで、ブルーを基調にしたチェックのスローケットがアクセントになっている。ベッドサイドには小さなテーブルとアームチェアがあり、ベッドの足元の先に、デスクユニットを据えた。デスクにはパソコンが備わり、20インチのWoooがテレビとパソコンのディスプレイを兼ねている。家具の仕上げは木目とピアノ塗装のアンサンブルで、質感はなかなかだ。シーリングライトにはハロゲン灯を組み込み、照度を段階的にコントロールできる。全体にカジュアルながら、好印象の客室に仕上がっている。 居室のクオリティに比べると、3平米のバスルームはやや見劣りした。それでも、白いタイル仕上げで、バスタブ長さは150センチとシングルルームには不足のない造り。アメニティは国産ブランドで揃え、シャンプー類はミニボトルを用意している。バスローブも備わっているが、シャワーカーテンはペナペナなタイプだ。ルームサービスは朝食と夕食のみ営業している。 30階は宴会場で、31階には朱鷺メッセの展望室になっている。ホテルの施設ではないが、ホテルエレベータでそのままアクセスできるので、朝一番で行ってみた。誰一人いない展望室には、日光が燦々と降り注ぎ、大きな窓からは360度の景観が望める。高さは客室とたいして変わらないはずだが、窓の大きさと空間の広さが違うので、まったく別の眺めに思えるほどダイナミックだ。 朝食は「セリーナ」で提供される。内装はかなりカジュアルだが、コシヒカリのご飯、風呂吹き大根、ハタハタの一夜干しなど、和食が充実している。飲む黒酢もあった。チェックアウト前に、ライブラリーラウンジ「ファウンテン」でコーヒーを。その名の通り、洋書や写真集、旅の本などが豊富に置かれ、自由に閲覧できる。隅のディスプレイでは、歌劇「ドン・ジョバンニ」が放映されていた。チェックアウト時に、フロントの天井を見上げると、白根の大凧が目に飛び込んできた。シンプルな空間に、力強い凧の姿が実によく映えていた。 |
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[ホテル日航新潟] |
Y.K.