2005.01.08.(土) |
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ホテルフランクス Corner Twin Room Hotel Francs |
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楽-1 開かずの扉 | |
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1991年9月に、本格的医療設備と会員制メディカルクラブをもったユニークなホテルとしてオープンしたホテルフランクスだが、画期的な発想も時代には受け入れられず、厳しい状況が続いていた。だが、2003年12月には、横浜を中心に、レストランウェディングや婚礼演出を手がけるブライダルプロデュースが買収し、改装を終えて2004年9月にリニューアルオープンを果たした。今後は、婚礼に特化した戦略で好成績を狙ってゆくという。ホテルの一角にそびえるロマンチックなチャペルが、以前よりも生き生きと輝いているように見えた。
運営するのは、ブライダル事業で高い業績を上げる企業でも、ホテルに関しては素人同然。「オーベルジュ」をコンセプトに掲げているが、その言葉の何たるかを理解しているとは到底思えない営業内容にいささか疑問を持ったが、それも婚礼にからませての、言葉による甘い誘惑だと聞き流すのが粋だろう。 新生フランクスのエントランスには、常時婚礼案内係が待ち構えており、普通のホテルとは随分と異なる雰囲気を醸している。この日は土曜日だったこともあり、総支配人までもがエントランスに立つという力の入れようだ。熱心なのはわかるが、宿泊客にとってはなんらメリットのないことで、その仰々しさが鬱陶しい。チェックインはスムーズだった。ロビーは明るい日が差し、百合の甘い香りが漂っていた。 利用した客室は表側のコーナールームだった。裏側だとグリーンタワーとご対面で、眺めもかなり遮られるが、表側からは海が一望でき、なかなかの眺めだ。この客室は改装で新たに登場したタイプで、シングルルームを2室合体させて造った。面白いことに、廊下には、すでに壁となってふさがれた部分に、まだ扉がそのまま残っている。部屋自体は34平米あるが、クローゼットとバスルームは完全なるシングルルーム仕様で、窮屈極まりない。 室内は白を基調にコーディネートされており、明るく清潔なイメージだが、すでに白い椅子などは汚れが目立ち始めている。新たに導入したと見られる窓際のテーブル以外は、元の客室にあった備品を使っているらしいが、家具そのものはしっかりしているので十分に通用している。だが、室内のスケールに対して大きさのバランスが取れないのが気になった。テレビも驚くほどに小さく、ベッドからでは字幕すら読めない。また、壁紙がうるさい印象で、壁そのものも殺風景。改装直後の有機溶剤系の臭いも耐えがたかった。 そんな気分を晴らしてくれたのは、開閉可能な窓と、そこからの風景だった。特に夕暮れと冬の星空は見事だった。遠くの都会から聞こえるノイズと潮風のハーモニーも悪くない。「オーベルジュ」を謳っているくらいだからレストランも利用してみたかったが、案内が乏しく気が萎えてしまった。何がオススメなのか、だいたいどの程度の料金帯なのかはおろか、営業してるかどうかすらわからなかった。 |
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[ホテルフランクス] |
Y.K.