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2004.12.07.(火)

名古屋マリオットアソシアホテル Standard Double
Nagoya Mariott Associa Hotel
喜-2 名古屋の女王
タワーを見上げる

わが国で40階以上の高層階に客室を持つホテルはまだ10軒しかない。横浜ロイヤルパークを最高峰に、パークハイアット、大阪ゲートタワー、三井アーバン大阪ベイタワーと続き、名古屋マリオットは第5位の高さだ。高層ホテルの魅力に加え、大都市の心臓とも言うべきターミナルの真上に位置し、交通至便なだけでなく、ショッピングにも恵まれた環境を持ち、その上洗練されたゴージャスな内装と、まるで家柄もよくて美人のお嬢さんのように、まったく非の打ち所がないプロフィールだ。

だが、そんな名古屋の女王は、履歴書通りの素晴らしさを予感させる一方で、時折鼻持ちならない一面を見せてきただけに、心底好きになれずにいた。だから名古屋では、洗練こそされていなくても、ちょっぴり田舎くさくても、飾らない等身大の素朴さがよく似合うホテルを多く利用してきた。だが、今回は勇気を出して女王様ホテルに泊まってみることにした。

せっかくなので特別階を予約したかったが、あいにく空室があるのはスタンダードダブルだけだった。安い部屋の一泊だけの予約にもかかわらず、予約確認メールには細やかな気遣いが感じられ、出かける前からちょっとうれしくなっていた。このホテルは客をなめていない。それだけでうれしくなれる日本のホテル事情というのも情けない話だが。

チェックインしたのは19時半。エレガントでゴージャスなロビーは華やかなクリスマスデコレーションで彩られ、過ぎ行く一年と大切な人への思いを呼び覚ます。フロント周辺は待ち合わせやレストランの利用客で賑わっている。手続きはスムーズに済み、客室へと案内された。

客室は20階から49階にあるうちの45階にアサインされた。タワーは見る角度によっては円筒に見えるが、実際の断面はアルファベッド小文字の「d」字型をしている。だが、内部の廊下は「ロ」の字状でまっすぐなので、多くの客室は扇型ではなく、普通に四角い客室の窓側だけがカーブを描いたような形をしている。しかし、廊下のコーナー部分に位置する客室は、窓側が広がった扇型をしており、今回利用したスタンダードダブルルームもそれに当たる。

エントランスを入るとミニバーとクローゼットを配した前室があり、居室とは内扉で仕切られている。居室は三角形で、3枚のピクチャーウィンドウが横一列に並んでいるが、それぞれの窓は小さい。クイーンサイズベッド、デスク、アームチェア、テレビキャビネットというシンプルな設備だが、コンパクトにまとまって使い勝手は悪くないものの、少々窮屈な感もある。ヨーロピアンスタイルのインテリアだが、明るいカラースキムでコーディネートされているので、重苦しさを感じさせない。また、テレビがもう少し大きければよかったと思う。

バスルームは部分的に大理石を使い、エレガントに仕上げている。シャワーブースはないが、バスタブの脇には窓が設けられており、自然光を取り入れられるのがいい。だが、バスタブに浸かりながら景色を見るには不向きな窓だった。アメニティはベイシン下のワゴンに豊富なアイテムが用意されている。バスローブはなかった。ミニバーにはマグカップや紅茶ティーバッグが備わっているのもうれしい。

夕食はロビー階にあるコーヒーショップ「パーゴラ」に出かけた。店に着いたのは21時半だったが、入り口の係から満席だと告げられたので、部屋で待つので空いたら電話をくれるよう頼んだ。すると係はすぐに席に案内してくれた。宿泊客を優先するのかどうかははっきりしないが、雰囲気的にはそのように受け止められた。店内は照明を抑え、テーブルにはキャンドルが置かれている。サービスも滞りなく快適だった。

それにしても、これだけの充実した設備と豪華さを持ちながらも、なぜJWマリオットにならなかったのか不思議でならない。ブランド的には東京マリオットホテル錦糸町東武と同列だが、クオリティは雲泥の差がある。また、名古屋マリオットはJR東海ブランドのアソシアの名も冠しているが、そのイメージはほとんど感じられず、マリオットのイメージが圧倒的に強いホテルだ。

三角形のダブルルーム 居室は内扉で仕切られる

3枚のピクチャーウィンドウ アームチェア

ベイシン 窓付きバスタブ

客室からの眺め エレベータホール

フロントカウンター ロビー

[名古屋マリオットアソシアホテル]

Y.K.