コンサートで会いましょう喜怒哀楽トップページへ2004200320022001200019991998199719961995199419931992ホテル別インデックスレストラン別インデックス

2004.12.04.(土)

ホテルモントレ山王 Standard Twin
Hotel Monterey Sanno
楽-3 突然の停電
エントランス
ホテルモントレ山王は、全国に個性溢れるミドルクラスホテルを展開するモントレグループの第一号として1984年にオープンした。旅先で気軽に利用できる身近な雰囲気と、さながら外国旅行を楽しんでいるようなインテリアコーディネートが好評を博し、特に女性に人気のあるホテルチェーンに成長したモントレグループも、ここ山王からスタートした。とりわけ最近オープンしたホテルは色使いが巧みで、演出能力に長けているが、その走りはこのホテルにも随所に見て取ることができる。

JR大森駅から程近い線路沿いに位置し、周辺には日常的な店舗が多く、気取らない旅の拠点としては申し分のない立地だ。石の枠組みで囲われた木のエントランスは小さく、邸宅のよう。館内に入ると、フロントまで石畳風の床に赤いカーペットを敷いた廊下が続き、古城のような雰囲気だ。ただ、空気の循環が悪いらしく、館内には食べ物の混ざったにおいが充満していた。フロントのサービスは明るく元気な印象で、チェックインタイムより30分程早めの到着だったが、すぐに部屋に通してくれた。

客室は標準的な20平米のツインルーム。テラコッタの床と欧風の家具がよくマッチして、リゾートホテルの内装を思わせる。110センチ幅ベッドが2台並び、しっかりした木製のヘッドボードや、かわいらしいシェードの付いたナイトランプなど、なかなか雰囲気のあるコーディネートをしている。その他の家具も総じて立派で、それぞれに存在感があった。窓際にデスクと冷蔵庫を収納したキャビネットを据え、窓の脇には木枠のミラーを置いた。イスもしっかりしているが、室内にたった1脚しかないのが不便だった。

照明は天井のシーリングからの白熱光が広がり、やわらかい印象。だが、デスクのスタンドは作業をするには暗かった。LANはなく、テレビプログラムもつまらない。ルームサービスはないが、ホットコーヒーのみ1杯350円でデリバリーしてくれる。窓は2重構造で、すぐ外を走る電車の音は聞こえないが、廊下の音はよく響いていた。ナイトボードには時計が埋め込まれておらず、ヘッドボード上の壁にアナログ時計が掛けられている。部屋の雰囲気には合っているのだが、位置的に見にくかった。また、収納スペースがほとんどない。これは、モントレグループ全体に言えることだ。

バスルームは思ったよりも広かった。外側に開く扉は、ガラス窓に布で目隠しをしてあり、いい雰囲気を出している。バスルーム内はタイル仕上げで、バスタブの脇に陶板焼がはめ込まれているのが印象的だ。アメニティもモントレらしく豊富に用意されている。

翌朝、この地域一帯で停電が発生し、ホテルの電気系統もダウンしてしまった。こればっかりは仕方がないと諦めて、おとなしく復旧を待つことにした。電気もつかないし、エアコンが止まって段々寒くなってくるし、シーンと静まり返って不気味な感じだったが、それよりも状況を知らせるフロントからの緊急放送が異様な雰囲気を醸していた。放送が始まる前に、必ずサイレンのようなけたたましく恐ろしい音がして、その後にフロント係の不慣れな放送が入るということが、何度となく繰り返された。フロントも不意な状況に混乱していたのだろう、時折おかしなことも言っていたが、一生懸命さはしっかりと伝わってきた。

10時頃になって復旧したので、出発の準備には不自由しなかった。チェックアウト時、フロントでも丁寧な詫びがあった。ホテルの責任ではないのに、迷惑を掛けたときちんと頭を下げる姿勢に心動かされた。

ツインルーム室内 デスクと小さなコーヒーテーブル

バスルーム バスルーム扉

アメニティ フロント前

[ホテルモントレ山王]

Y.K.