ホテルトラスティは、全国に会員制リゾートを展開するリゾートトラストが手がけたシティタイプのホテルで、現在は名古屋に2軒が営業中、そして2005年6月には大阪に1軒のオープンを予定している。リゾートトラストとしてはシティホテルの格付けらしいが、たとえば名古屋において、ヒルトンやマリオットと肩を並べるクラスだとは到底いえないし、キャッスルプラザと比較してもサービスの充実度では劣る。シティホテルというよりは、アッパーミドルクラスのビジネスホテルと考えるのが妥当かもしれない。
今回利用したトラスティ名古屋栄は、名古屋の中心地に位置し、地下鉄栄駅から徒歩1分と好立地だ。だが、3方をビルに囲まれ、正面も一方通行の狭い道なので、出かける前によく場所を確認しておいた方がいい。この日ホテルに到着したのは午前零時近かった。正面玄関前はクリスマスの電飾が華やかに輝いていたが、館内はやや暗い印象だった。2層まで吹き抜けの高い天井、大理石の床、レリーフのある天井装飾や、木目が美しいフロントカウンターなど、落ち着いたヨーロピアンテイストのインテリアが高級感を醸している。パブリックスペースに設けられたソファや、一段高いところのラウンジの雰囲気もなかなかだが、サービスそのものの印象はこれといってなかった。
客室はシングルルームが主体となっているが、最上階にはデラックスルームやスイートも用意されている。今回利用したのはダブルルーム。ラックレートも低く抑えられているが、宿泊プランを利用すればビジネスホテル並みの料金で滞在できる。ダブルルームはコーナーに位置しているが、窓は1枚しか付いていない。その窓の外には隣のアパホテルの壁が間近に迫り、眺めが得られないだけでなく、採光も十分ではなかった。
その分、室内にはしっかりした家具を置いて、飽きないように工夫している。面積は20平米に及ばないが、ベッドは150センチ幅とゆとりを確保した。だが、マットレスは硬く、寝具やベッドリネンも快適ではなかった。2脚のアームチェア、狭いデスク、テレビの載ったキャビネットというシンプルな設えで、照明は明るめ。クローゼットは薄く、収納は少ない。冷蔵庫にはビールやソフトドリンクが用意されている。
バスルームは主に大理石模様のタイルを使い、高級感を出した。広くはないが、丸いミラーとユニークな香りのアメニティが印象的。タオルは3サイズ揃っていた。朝食はラウンジにて2種類のセットがあった。手ごろな値段ではあるが、喫茶店で出すモーニングセットのような内容を考えると割高な気もする。また、コンシェルジュサービスも行っているようだが、接するチャンスがなかった。このホテルは、料金の割に贅沢な設備を揃えており、コストパフォーマンスは高い。出張の宿としてシンプルに利用するには便利だ。
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