ホテルラフォーレ新大阪は、新大阪駅からぺデストリアンデッキを経由して1分という、新幹線利用者にとってはこの上ない好立地にありながら、これまでほとんど注目を浴びることはなかった。新大阪駅前には、ラフォーレの他にもワシントンホテルやチサンホテルをはじめ、多数のビジネスホテルがあるが、ここラフォーレはその中では最もグレードが高い。
新大阪駅からすぐといっても、駅そのものが広く複雑なので、初めて訪れる場合は迷ってしまいそうだが、改札前にホテルの大きな案内看板が出ていてわかりやすかった。途中、薄暗いガード下を通らなくてはならないので、道のりはあまりぞっとしないが、ホテルは確かに近かった。ホテルには1階に車寄せを持った正面玄関も設けているが、そちらからの人の出入りはほとんどないようだ。フロントは2階にあり、1階とは小さな専用エレベータで連絡しているが、それ自体あまり目立たない。
2階のデッキに直結したエントランスを入ると、広いフロントロビーがすぐ目に入る。大理石を敷き詰めたロビーは明るく清潔感があり、中央はダンスができるほど空間をあけて、シッティングスペースは窓際に寄せて設置した。フロントの対応は丁寧で、若い女性が中心ながら感じのよい印象だった。夕方には4階にあるマッサージサロンの女性スタッフが、ロビーに一角にデスクを設けて熱心に予約を受け付けていた。
客室はツイン、ダブルともにほとんどが30平米のタイプで、ダブルは改装が済んでいる。また高層階の17、18階はよりシックでデラックスな内装になっている。今回利用したのは15階のスーペリアダブル。あまり期待していなかったが、客室は想像以上に快適だった。まずベッドが素晴らしい。シモンズのキングサイズベッドを清潔なベッドリネンで仕上げ、ヘッドボードにビルトインしたナイトパネルでは、照明やBGMのコントロールが可能。広くて心地よいベッドと静かな空間さえあれば、ぐっすりと安眠できる。
窓際にはヨーロピアンスタイルのアームチェアと、ラフォーレ東京にも備えられている賢いマッサージチェアが置かれている。窓は小さいが、新大阪の整然としたビルや地下鉄が眺められ、それなりに楽しめる。時折、飛行機がすぐ上を飛んでゆくのも面白い。デスクは広く、テレビも大きい。ナイトウエアはパジャマ風で着やすいデザインだった。入り口に姿見がないのが不便だったが、デスク前のミラーは大きい。バゲージ台にファブリーズが備わっているのもユニークだ。
バスルームはプラスチック素材で仕上げているが、ゆったりとしている。アメニティはブラシやボディスポンジまで豊富に揃い、タオルは3サイズが2枚ずつ用意される。ルームサービスは午前7時から夜23時まで営業しているが、コーヒーが1160円とやや高め。オーバーナイトランドリーもあり、シャツは840円だ。ゆったりとした快適な客室と手軽な料金は非常に魅力的で、新幹線や在来線に地下鉄とフットワークがよく、行動計画が立てやすいホテルだ。
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