2004.09.30.（木）

食事がまだだったので、プロデューサーと共に外に出てみたが、川内市の夜は早い。たまたま見つけた居酒屋に入ったが、軽くつまむ程度で済ませ、コンビニでコーヒーとヨーグルトを買ってホテルに戻った。

ホテルは古びていて、日本とは違うアジアのどこかのような雰囲気だった。係は親切だし、深夜でもフロントに誰かが控えているが、のんびりとした印象がまた何ともいえない。本館とは別に、他のホテルを吸収した別館があるが、今回は本館に2泊することになった。エレベータは１基だけで、客室はすべて3階にある。

廊下は広いが薄暗く湿度も高い。スタッフにおやすみなさいと挨拶をして部屋に入ったが、ひとりで過ごすのがなんとなく気乗りしない雰囲気だった。室内は蛍光灯なのに十分に明るいとは言えず、壁に掛かった大きくて茶色いエアコンは、くたびれてガーガーと苦しげなうなり声を上げている。寝具はいわゆる布団。清潔感はあるのだが、受験勉強でもしなくちゃというようなイメージの部屋だった。

バスルームは狭く、洗浄機能つき便座もない。通常なら地階にある天然太陽温泉が無料で使えるのだが、故障中で使用できなかった。仕方なく客室のユニットバスを使ったが、バスタブに張った湯を抜くと、排水が逆流してバスルームの床中が、配水管に付着していたと思われるヘドロでひどく汚れてしまった。翌日にはルームチェンジしてもらったが、あまり長くは留まりたくない部屋だった。朝食は前日までの完全予約制。結局利用することはなかった。

ホテルのエントランス前には、春田川という小さな川が流れている。コンクリートで囲われた都市の川だが、流れの中には小さな魚が群れをなし、それをめがけて鳥が飛来する。町の中にも自然の光景が見られて興味深かった。また公演の合間を利用して尋ねた新田神社も、市内を見下ろす見事な眺めと、喧騒を離れた静かな環境が深く印象に残っている。

[ホテル太陽パレス]