ホテルサンルート赤坂は、赤坂見附駅から歩いても程近い位置に建っているが、賑やかな通りからは少し外れているので初めて訪れる場合は見つけにくいかもしれない。逆に、目立たないことで静かな環境を確保しているとも言える。外観はモダンで、特にエントランス前のスペースはスタイリッシュな雰囲気だ。フロントはこじんまりとしているが、コントラストのある色調でコーディネートされたまとまりのある空間に仕上がっている。カウンターには2名の係が立っているが、サービスに関しては、さほど好印象ではなかった。
サンルートホテルの中では新業態に属するチャレンジ施設で、ベルやルームサービス、直営レストランなど、これまで一部のホテルで提供してきたシティホテル的サービスを一切排除し、純粋な客室提供に特化した。駐車場も持たず、飲食施設は「エクセルシオールカフェ」だけだ。その分、パソコンを置いたり都会的なインテリアにするなど、ビジネスホテルとは一線を画す高品質な客室造りを実現し、都会人が自由な感覚で使いこなす普段着のホテルが完成した。
客室フロアのエレベータホールには、固形ソープが置かれ、使いたい人は自由に持っていけるようになっている。廊下のカーペットは薄く、やもすれば客室に足音が響きそうだ。実際、氷ディスペンサーの音や、歩く音などが客室内でもかなり聞こえていた。客室タイプは少なく、シングルかツインに大別され、広い客室を望むのなら20平米のツインを使うことになる。
扉を入るとクローゼットを備える前室があり、正面がユニットバスだ。居室には2台のセミダブルベッドが並び、ブルー系でまとめられたシーツ類がシャープな印象を与えている。寝心地は思ったよりもよく、シーツの肌触りも悪くない。ナイトテーブルに用意された時計など、小物にも都会的なセンスが光る。
デスクなどはすべて窓際に集約した。窓はすりガラスで、景色は一切望めない。完全なる明り取りだ。デスクは広く、下には冷蔵庫と簡単な収納を備える。また、ロイヤルパーク汐留タワーと同じ、パソコンとテレビが一体化したシステムを採用し、自由に使えるようにしてある。もちろんLANは無料で、フロントの公衆電話コーナーにもパソコンや多機能コピー機を備え、プリントアウトは1枚10円から利用できる。冷蔵庫にはペットボトル飲料などを備え、150円と手頃な価格がうれしい。
バスルームはコンパクトながら清潔感があった。前日の三井アーバンホテルのバスルームと同じサイズなのに狭く感じるのは、こちらの方が居室が広いからだろう。アメニティはまずまずの品揃え。タオルはグレーで、3サイズを2枚ずつ備える。このホテルでは新聞は有料だ。
朝食はホテルの朝食券を含め「エクセルシオールカフェ」を利用する。数種類のセットがあるが、アメリカンブレックファスト風のAセットを注文した。スクランブルエッグにミート、サラダ、トースト、コーヒーという内容。ジュースやジャムはつかない。だが料金は手頃で、高くてまずいだけのホテル朝食よりは気が利いている。自分の時間を過ごすためにわざわざ利用するホテルではないが、出張などの折にはなかなか便利かもしれない。
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