サカエハミルトンホテルは、栄の繁華街の中心からは外れた場所にある。エントランスのある通りもそれなりに賑やかだが、隣に巨大なパチンコ店があるなど、洗練された環境とはいいにくい。ビジネスホテルとしては客室は広くとられており、シティホテル並みのゆとりを実現している。開業当時はすべてシングルルームだったが、今では一部の客室をツインルームに改装した。
ロビーはホテルの規模とクラスを考えると、客室同様にゆったりとしたスペースを確保している。大理石を多用してグレード感も演出したが、それを活かすまでには至っていない。フロントのサービスは特に気になるところはなかったが、もちろんベルサービスなどはないので、客室料金を先払いし、自ら荷物を持って客室へ向かった。
利用したシングルルームは25平米。入口付近はフローリングになっていて、一瞬いい感じかと思ったが、室内の奥に進むにしたがって、なんとなく気が滅入る雰囲気になった。黒のファニチャーはまあいい感じだし、ファブリックもさほどくたびれてはいないのだが、室内の明るさを確保するためか、ベッド脇の天井に埋め込まれた蛍光灯の間接照明が、室内を寒々しく見せている。それを消せば消したで、暗くて陰気。せっかく部屋は広いし家具もそこそこ立派なのに、もったいない気がした。クローゼットとミニバーは一体化しており、鏡張りの棚が印象的。並んでソファが置かれているが、座り心地はいまひとつ。デスクは壁に向かっており、前に鏡も絵もないので、ちょっと殺風景な感じがある。テレビはデスクに並んでいて、見やすい位置だった。ベッドはセミダブルサイズでゆったりしている。
バスルームはタイル張りで、思いのほか広かった。黒い床とベイシントップが空間をシックに引き締めていた。カランにはサーモスタットが付き、使いやすかった。このホテルではバスルームが一番快適だった。このホテルは出張での男の一人利用が似合っている。あまり女性向きな印象がしなかった。
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