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2003年9月12日

ホテルサンルート佐野 Single Room
哀-3 Distance
寂しい夜景
佐野は遠かった。佐野でのコンサートは13日だったので、本当は当日に出掛ける予定だった。ところが楽器の手配に一部手違いがあり、仕込みの段階から立ち会う必要が生じ、その日の予定をすべてキャンセルして、急遽佐野に向かった。町田に向かうため新宿駅でロマンスカーに乗ったところで、連絡が入ったので、急いで降りて自宅に戻り、翌日の支度を整えて、浅草駅から東武特急に乗り込んだ。館林からはローカルな電車に乗り継いで、都内では見かけなくなった不良少年に囲まれながら佐野市駅に到着。巨大なアウトレットで有名な町だから、もっと栄えているかと思いきや、想像と違って落ち着き払った佇まいだった。

会場で翌日の準備を済ませ、ホテルに到着したのは午後8時前。フロント係は2名いたが、いずれも腰が低く熱心なサービス振りだった。脇では他のグループゲストがチェックインをしており、部屋割りのことで面倒なリクエストを出していたが、きちんと耳を傾けて要望に応える努力をしていたのには感心した。ルームキーを受け取り、向かった客室は14.8平米のシングルBタイプ。部屋に入ると、電球がひとつ切れていた。荷物を置いて、階下に飲み物を調達に行った帰り際に、フロントに電球の交換を依頼した。エレベータで部屋に戻ると、係はすでに扉の前で待っていた。すばやい対応だった。ウェスティンにはぜひ見習って欲しいくらい。

電球を替えてもらったが、それでもやはり客室は陰気だった。照明の問題ではなく、ビジネスホテル独特の湿気た埃のにおいや、雰囲気もそう感じさせていた。小さな窓からは隣の寺や住宅が見えるが、暗くなってしまうと詳しい様子はわからない。窓にはレースとカーテンが掛かるが、長さは腰の辺りまでだった。窓際にはデスクがあるが、デスクの割りには大きなテレビが陣取り、目の前の鏡の一部を殺してしまうほど、はみ出している。また、立派な電気ポットが置いてあるが、これもまた邪魔になった。照明はデスク上とベッド上のスタンドのみで、それぞれオンかオフしかできない。クローゼットは初めて見る驚きの薄さだが、きちんと扉もついていた。

バスルームは小さなユニットで、洗浄機能付き便座は備わっていない。アメニティは、リンスインシャンプー、ボディソープ、ハブラシセット、ヒゲソリのみ。タオルは2サイズが一枚ずつだが、この上なく薄かった。シャワーの水圧は低く、清潔感にも乏しいので、快適なバスタイムにはならなかった。ベッドは120センチ幅で、枕はひとつ。壁が薄いのか、隣の音がとても気になった。BGMやラジオさえないので、気分を紛らわすのも難しい。何の楽しみもない客室だった。

食事をどうしようかが、最大の悩みだった。1階のレストランでは、メニューバイキングなるプロモーションを行っていたが、それほど空腹なわけでもなく、豪快に食べ放題にチャレンジする気分にはなれなかった。反対側のロビーラウンジでは、この世のものとは思えないひどい状態のピアノで、酔った常連とおぼしきゲストが、これまたひどい演奏をしている。こりゃダメだと思って外に出てみたが、何もない。JR佐野駅が近かったので、駅前まで出てみたものの、レストランらしきものは見当たらず、しかたなくコンビニエンスストアでおにぎりを購入して、部屋で一人寂しく食べた。とんでもなく遠くへ来たような気分だった。

寂しいシングルルーム デスク上のランプ

テレビがデスクで威張っている くたびれ気味のバスルーム

[ホテルサンルート佐野]

Y.K.