かつて2001年に一度だけ利用したことがあったが、その時は建物の内側を向いた17平米の客室だった。携帯電話の電波は入らず、眺めもないので、たった一晩とはいえ、幽閉されたような落ち着かない一夜を過ごすことになった記憶がある。というわけで、今回は内側の客室だけは避けたかった。サイトを見ると、プラン別に客室の向きや携帯の電波状況などもタイプ別に紹介してあり、選択の参考になった。気になったのはマッサージチェアを常設したデラックスシングルのプランだったが、あいにく連泊では取れなかったので、それが一杯だった日程については、通常のデラックスシングルを予約した。
デラックスシングルルームは20平米。シングルとしてはそれほど狭くない部類だろうが、窓が小さく天井も低いので、なんとなく圧迫感がある。ベッドは110センチ幅しかなく、大の字になってくつろぎたい人には物足りないかもしれない。客室は改装が済み、明るい色の木目やグリーンのファブリックが、ナチュラルな雰囲気を感じさせる。
デスクは窓に面して幅広く取られており、デスクワークには困らない。ユニークなのはコーヒーテーブルと肘掛け椅子だ。これらふたつは組み合わせると合体し、更にデスク下のスペースにすっきりと収納することができるので、片付ければ部屋を広く使うことができる。部屋の壁に、なぜヘッドボードがふたつ設置されているのだろうかと不思議に思ったが、この椅子とテーブルを片付け、本ベッドの下から予備のベッドを取り出してセットすることで、プリティツインというカテゴリーの客室が出来上がる仕掛けのようだ。
しかし、この客室を二人で使うとなると、いささか窮屈だろう。USJで一日中遊び、ここでは寝るだけという、体力に自信のある若者向けといったところだろうか。また、カップル向けには「ふたりっち」というタイトルの付いたプランがあるようだが、電話予約の際に「ふたりっちでお願いします」というのは、なんともこっぱずかしいのではなかろうか。
二日目はルームチェンジをして、マッサージチェア付きの客室になった。同じ広さの客室だが、別のフロアだったためか、家具やファブリックが微妙に異なっていた。マッサージチェアのほかに、バスローブとテンピュール枕、サービスの缶ビールが用意されていたが、バスローブはかなりのくたびれようだった。いずれの客室もバスルームはユニット式で、コンパクトサイズ。アメニティも必要最低限で、くつろげる空間ではなかった。
客室の他、ロビーやレストランなども改装が済んで、モダンな印象になった。駅からのアクセスもよく、ビジネスや観光には強い見方だが、ホテルを目的地にするには不足が多い。また、専用駐車場がなく、近隣の駐車場利用で1泊3000円以上が必要なので、車での来館にも向かないようだ。
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