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2003年7月9日

名古屋マリオットアソシアホテル カリフォルニアグリル「ラ ホーヤ」
哀-2 Hot or Cold
JR名古屋駅の真上というこの上ない立地条件にある名古屋マリオットアソシアホテルは、都市の顔として相応しい圧倒的なスケールの外観と、贅沢な内装に彩られ、大都市名古屋でも最も注目を集めるホテルだ。一歩足を踏み入れると、そこには壮大な別世界が広がる。実は、開業を目前に控えた頃、名古屋でちょっとした200名程度のパーティを主催する必要があって、このホテルを会場の候補にあげて相談を進めていたが、担当者が大きなミスを犯しながらも、その事後処理が極めて不適切だったため、このホテルとの交渉は切り上げ、結局その後一度も利用することなく避けていた。しかし、今回名古屋駅で共演者たちと合流する約束の時間までまだ余裕があったので、食事をしてみることにした。

ロビーフロアは多くの人たちで賑わっている。さすが駅の上だ。若いスタッフが多数快活に動き回っているが、空間の洗練度に比較して、まるで動物のようでぎこちない。むしろ豹やトラの方がよほどエレガントな身のこなしを身に付けているのではないか。そして、ロビーの一角に仁王立ちして様子を伺っているアシスタントマネージャーは、それこそボスザルのように貫禄を振りかざしているが、単に美観を損ねているようにしか見えなかった。朝にチェックアウトしてきたプリシードのスタッフの方が、よほど一生懸命で人間的だった。

レストランはいずれも混みあっていたが、ロビーフロアに位置するカリフォルニアグリル「ラ ホーヤ」のには比較的余裕がありそうに見受けられた。入口を入って、係にひとりで食事をしたい旨を伝えるとすぐに席に案内された。にこやかで丁重な印象のよい対応だった。そして、メニューを持って訪れた若い女性の係に、さほど時間がないが、比較的短時間で楽しめるメニューをアドバイスしてもらったところ、アメリカンランチ1,800円を薦められた。この係もまた親切で好感が持てた。

なんだ、結構いい感じじゃないとご機嫌になったのも束の間、料理が運ばれてきて少々ガッカリさせられることがあった。アメリカンランチはワンプレートにさまざまな料理が盛りあわされて提供される、いわば大人向け「お子様ランチ」だ。この日はスモークサーモン、ハムと野菜のオードブル、パスタ、グリルチキン、ポテトクリームスープ、サラダを串刺し状にアレンジしたものが一皿に載って運ばれて来た。当然、オードブルやサラダは冷たく、メインディッシュやパスタ、スープは温かくあるべきだった。

しかし、オープンキッチンのデシャップ台を見ると、先に冷製の料理を盛り付けたプレートを保温器具の真下に置いた状態で、チキンやパスタが仕上がるのを待って放置されている。その間に電熱でもって、冷製料理にかなり熱が通ってしまい、どれもぬるい温度まで上昇して、少しもおいしくなかった。メニューの内容は素晴らしくリーズナブルだし、パンに添えられるオリーブとトマトのペーストも大層おいしい。これに更にカシスのシャーベットとコーヒーが付いて1,800円とはお買い得なのだ。しかし、肝心な料理がこれではその喜びも帳消しだ。

通りかかった黒服に、とてもいいメニューだったが、ひとつ残念なことがあったと、熱を帯びた冷製料理の件を報告したが、単にああそうですかと生ぬるい返事をしただけで、結局その後もデシャップではメイン待ちの冷製料理が温められ続けていた。このような意識の低さでは、プライドの高い名古屋の方々の面汚しにしかならない。

ランチはこのほか、2,500円、3,500円コースなども用意されている。店内はスパニッシュテイスト。この日はゲストの9割までもが女性で占められていた。ランチタイムは全席がノンスモーキングなのは、ありがたかった。

[名古屋マリオットアソシアホテル] 

Y.K.