4月からラックレートが改められた。かつては100,000円だったプラザスイートは、70,000円になった。70平米なので、平米あたり1,000円。ロケーションを考えればまだのぼせているようにも感じられる。しかし、実際には各種宿泊プランやインターネット予約サイトで、結構おトクな料金が提示されているので、より気軽に利用できるようになった。とにかく、このホテルがまだ元気に頑張っていて、より健康に生まれ変わるところだということを、もっと広く知ってもらわなければなるまい。
ロイヤルパークホテルズの一員になってから、このホテルの雰囲気はずいぶんと変わった。気取った感じが払拭され、スタッフは明るさや親しみやすさを大切に振舞うようになった。フィットネス施設は廃止され、代わりにブライダルを充実させた。今更エグゼクティブ志向など、こんな辺鄙な場所では流行るはずもないのだから、正しい選択だと思う。これだけ立派な建物だから、ブライダルに力を入れれば、評判もよくなるだろう。客層もずいぶんと変わった。というか、以前は閑散としすぎていて、比較のしようがないのだが、以前は少なかったディズニーリゾートへのゲストや、女性のリラクゼーションお泊りが、ぐんぐんと増えているようだ。駐車場に入らず、正面玄関先に並べられたワゴン車が、客層の変化を物語っている。
客室は非常に立派。もうしばらくはこんなホテルが建つことはないだろう。細部にまで凝った造り、しっかりとした家具、壁紙ではなく塗り壁であることなど、どこを見てもたいしたものだ。しかし、ずいぶんと粗雑に扱われて来たのが、手入れの行き届いていない部分が目立つ。傷の修繕はまったくの素人芸。珍しい窓ガラスは汚れ放題。せっかくの建築を、いかに大切に長く使うか、これから頑張って目を向けてほしいところ。
プラザスイートは3つの部屋で構成されている。入り口から近い順に、リビング、寝室、バスルームとなっており、それぞれに同程度の面積を割いている。リビングの天井高は280センチ、バスルームでさえ270センチもの高さがある。シャンデリアが下がっていても邪魔にならないゆとりの高さだ。一方ベッドルームは245センチと低めになっている。寝室は、あまり天井が高すぎない方が落ち着いて休むことができる。
ベッドは125×195センチで、やわらかめのベッドだが、羽毛の掛け布団が心地よく、快適に眠れる。デスクはベッドルームに置かれているが、小さい上に電話機もなく、やや不便な感じ。リビングにはソファと肘掛け椅子がセットされているが、ダイニングテーブルがないので、休息やくつろぎのための設計が主眼となっている印象だ。客室入り口と、ミニバーの周辺には、ずいぶんと無駄なスペースがある。総じて客室は広くないので、もっと有効なレイアウトにするべきだったかもしれない。
バスルームは素晴らしい。窓際に斜めに配置されたジャクージ付きの大型バスタブはこの客室の顔。窓を開け放って浸かりたいところだが、たいした眺めではないだけでなく、あちら様から丸見えなので、周囲の皆さまの気分を悪くしないよう、ここは遠慮してブラインドカーテンを降ろす方がいいかも。ベイシンはダブルで、その奥には広いシャワーブース、別室になったトイレが設けられている。
そのほか、アクセントにもなっているグリーンのドレッサーがある。バスルーム内は細かく調光が可能なのもありがたい。しかし総大理石張りで豪華な空間に対して、ありきたりなアメニティは貧相だった。電球切れ、ポットの故障など、清掃の最終チェックが十分にできていないという現状もあり、まだこれからが正念場のホテルだ。
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