ホテル横浜開洋亭は、みなとみらいを見下ろす丘の上に建っている。桜木町の駅から徒歩で向かうのなら、石畳の紅葉坂を上がる途中で振り返ってみると、自分がここに暮らす人々のように、横浜の街並みに溶け込んだ気分になれる、そんな眺めが目に入ってくるだろう。坂を上がりきると、石をふんだんに張ったの開洋亭ホテル棟が見えてくる。このホテルは、伊勢山皇大神宮の付帯施設的な役割を担っており、ブライダル事業を中心に据えている。
そのため、60室という客室数の割に、建物全体のスケールは大きく、ロビーなども広々としている。続く大神宮との間には豊かな緑が広がり、日本庭園もまた手入れが行き届き素晴らしい。ホテルの周辺を散策してみると、敷地自体が起伏のある場所にあるため、小道や坂がたくさんあり、散歩にはうってつけだ。こうした環境を楽しむだけでも、十分に価値のあるホテルだといえる。
今回利用した客室は、みなとみらい側のスタンダードルーム。32平米の面積があるが、バスルームにゆとりがあることを考えると、より広いような印象を受けた。120センチ幅のベッドが2台入っても、十分ゆったりとしている。窓の外にはバルコニーがあって、自由に出ることができる。バルコニーからは、正面のみなとみらいはもちろん、左右にも視界が開け、180度のパノラマを楽しめる。室内は、この3月3日で開業12周年を迎えるだけあって、ややくたびれた感が否めない。特に壁紙などはそろそろ改修が必要だろう。また、空調設備の音が大きく、眠っている間に結構気になった。
目新しい点といえば、浴衣のほかにもうひとつ室内着が用意されていたり、ユニークなお茶があったりと、ここならではの工夫が見られる他、バスルームはある意味独特な造りをしている。トイレ、ベイシン、洗い場付き浴室がすべて独立している造りは、ホテルのバスルームというより、マンションの浴室として見かけるタイプのもので、ファミリーなどには使いやすいだろう。バスルームの総面積は5,74平米あった。
ちょっと困ったのは、室内に鏡が少ないことだった。デスクとベイシンにそれぞれ鏡があるが、どちらも姿見の役は果たせない小ぶりのもの。またいずれも鏡の前にベイシンやデスクがあるので、鏡に十分近づきたくても近づけない。披露宴に出席する人々の身支度を考えても、姿見は必要ではないかと思う。
今回は港正面の客室を利用したが、その他に建物両サイドにも同じタイプの客室があって、違いは眺めのみだが料金には差がある。正面の眺めは確かに魅力的だが、両サイドからの眺めも、十分に開けており、夜景としても申し分のない景観を楽しめるので、よりリーズナブルに利用するなら、両サイドでも満足できるのではないかと思う。また、スーペリア、デラックスというタイプもあるが、その設備や面積の差より、価格差の方が大きいような気がするので、予算によほどの余裕があるのでなければあまりおすすめできない。和室は、和室専用フロアにあるので、独特の雰囲気を味わうことができるようだ。
フロント係の対応は、丁寧ではあるがやや暗かった。係が暗いだけで、例えば広いロビーがガランとした殺風景な空間に変わってしまう。もう少し明るく引き締まった仕事振りで、笑顔のひとつも見せて欲しいところ。ベルサービスは行なっていない様子。ランドリーはないが、ルームサービスは朝8時半から夜11時半まで。しかしコーヒー1,000円と高額。
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