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2002年3月14日 夜
「ア ビエント」渋谷エクセルホテル東急
楽-1 こんばんは
渋谷でのリハーサルの帰り、スタッフと一緒に軽く食事でもして帰ろうかということになった。編曲やら練習やらで疲れきっていたので、騒がしい店は避けたかった。街には会社帰りの人々が溢れ、歩道を歩くのも一苦労だったので、早くどこかの店で一息つきたかった。そんな時、目の前に見えたのは渋谷エクセルホテル東急のエントランスだった。携帯電話から最上階のレストランへと予約の電話を入れるが、電波の状態が悪く、会話にならなかったので、とりあえず直接エレベータで店に向かった。エントランスで空席を尋ねると、狭い席でも構わなければ案内できるというので、そのまま店に入ることになった。

店内へ入ると、給仕たちが「こんばんはー」と声を張り上げるのが聞こえる。「いらっしゃいませ」とは言わない。それはそれで別に構わないのだが、どちらかというと「いらっしゃいませ」の方がしっくりとくる。「こんばんは」といった日常的な挨拶は、リピーターなどの一歩距離が縮まったと思えるゲストに対して使う方がいいのではないかと思った。特に、あさっての方を向きながらの「こんばんはー」には違和感がある。それは、なんとなく見せかけだけの親しみにも聞こえる。「こんばんは」と挨拶をするのなら、ゲストに近い距離で、顔を合わせながら声を掛ける方が自然だろう。しかし、あまり多くの給仕から無視しづらい類の挨拶を受けるとなると、それはそれで鬱陶しいし、離れたところから威勢良く声を掛ける必要はないだろうにと考えさせる雰囲気がこの店にはあった。

案内された席は、確かに小さなものだったが、食事をするのに不足はなかった。店内のほぼ中央に位置しており、両方の窓から夜景が見え、まるで空中に浮かんでいるようだった。席について程なくすると、係はメニューを差し出しながら、いつもどおり丁寧に説明を始める。それほど複雑でないことを懇切丁寧に説明されると、いささかしつこい感じが残らないでもない。説明の仕方も演説風で、「よくできました」という印象だ。

4,800円のプリフィクスコースを注文した。オードブル又はスープ、魚料理、肉料理、デザート、コーヒーという構成。料理に驚きや新鮮さは感じないが、特に落胆もない。サービスは丁寧であったが、料理の間隔があきすぎて待ちくたびれた。その間、特にフォローもなく、十分すぎるほどの給仕の人数が、かえって視野を狭くしているような印象があった。アップグレードなカジュアルレストランとして、フレンチの気分を手頃に味わうには適している。

[渋谷エクセルホテル東急] 000413 010324

Y.K.