2001.10.21
400円の意味
イタリア料理「Buono Buono」有楽町
楽-1

東京国際フォーラムでフィリッパ・ジョルダーノのコンサートを鑑賞したあと、軽く食事をすることにした。あらかじめ予約を入れた店があるわけでもなかったので、近くの店に入った。コンサートの休憩時間に、高くてマズいサンドイッチなんぞをつまんでしまったものだから、コース料理を食べるほどおなかが空いていないし、体調が優れなかったので、できるだけ静かな環境をと願ったが、この界隈で急にフリーで希望を満たすのは困難だった。

入った店は、数寄屋橋交差点のすぐ近くにある、「Buono Buono」。多岐にわたる形態のレストランを、あちらこちらで展開している「三笠会館」が運営するイタリア料理店だ。大通りから階段を上がった2階にあるのだが、高速道路の高架下に当たり、時折不気味な振動が伝わってくる。店内は非常に活気に満ちて賑わっていたが、すぐに席に案内された。

店の中ほどにはオープンになったキッチンがあり、客席はそれぞれ趣きの異なるいくつかのセクションに分かれている。やたらと忙しいからか、席に着いてもなかなかメニューを見せてもらえない。やっと差し出されたメニューには、コース6,000円、8,000円のほかにアラカルトが並んでいた。そして、食事のゲストは席料が400円だと記載されていた。まあ、布のナプキン&クロスと場所代だと思えば高くはないが、ひとり4,000円以上注文しないと、サービス料10パーセントを計上するよりも割高なことになる。

結局、前菜とパスタをアラカルトで注文して済ませることにしたが、単価は結構強気な印象があった。また、飲物の値段がとても高い。500ミリリットルの「パンナ」が700円と、グランメゾン並み。街場のレストラン的な内装と客層が、まるで「コージーコーナー」でお茶しているような雰囲気を作ってしまっているが、料理は悪くなかった。総合的に考えて、この内容でひとり6,000円の出費では、大満足という印象にいたることはない。

Y.K.