2000.11.14
懐かしい空間
「イエスタデイ・ワンスモア」台場
喜-3

周辺には人気のスポットが軒を連ね、いつでも観光客や若者で賑わっているお台場周辺だが、ここ「イエスタディ・ワンスモア」のあるブロックは住宅地域に面しており、人通りが少なく人目につきにくいロケーションだ。かろうじてデックス東京内に位置しているものの、海に面していない最もはずれのもっとも不利な場所に出店した「イエスタデイ・ワンスモア」は大変厳しい営業を続けているようだ。車で行けば、ちょうど大通りに面しているのでそれなりに目に付くのだが、通りすがりに利用しようと思っても、駐車場はどこだろうかと考えているうちにもう通り過ぎてしまう。はじめから「イエスタデイ・ワンスモア」に行くつもりで出かけたとしても、初めて訪れる場合は場所を突き止めるのに苦労するかもしれない。

店は古い鉄道の枕木をそのまま利用したという外壁に囲まれているが、外から中の様子を窺い知ることはできない。それも一見さんが入りにくい要因だろう。店先にはメニューやパンフレットを並べているものの、決して安くはない価格設定なのでフラッと立ち寄るには勇気がいる。昔の「イエスタデイ」全盛期の面影を残す幅広の扉を開くと、ライブスペースを持ったメタリックな雰囲気のバーコーナーがあり、出迎えるレセプショニストに食事での利用かバーの利用かを尋ねられる。バー利用ならシアター状になったスペースで軽いおつまみと各種アルコールを比較的手頃な予算で楽しむことができ、食事の場合には奥のダイニングに通される。

ダイニングはこれぞ昔ながらの「イエスタデイ」の趣で、照明を落とした空間に昔の客車を思わせるベンチシートボックスが並んでいる。背もたれが高いので、プライバシーが守られてよいが、用事がある時に従業員を捕まえるのには苦労する覚悟が必要だ。壁一面が様々なモノクロ写真の額で埋め尽くされ、ノスタルジックな雰囲気を盛り上げており、ビニールのテーブルクロスもまたキッチュな感じでお似合い。サービスはすかいらーくにしてはよく頑張っており、にこやかでゲンキな若いスタッフが一生懸命にサービスしている。

料理もゲンキだ。アペタイザー、パスタ、グリルなどメニューをぐっと絞込んでおり、値段もやや高めだが、ライブロブスターやステーキなどは価格以上の満足を味わえる品質だった。アペタイザーやデザートには遊びのある工夫が随所に見られ面白い。この内容で閑古鳥とは実に気の毒だ。お台場デートの際、どこも満席でカレがピンチに陥ったら、そっと「イエスタディ・ワンスモア」の電話番号を教えてあげよう。

2001.01.23
Smoke gets in my eyes
「イエスタデイ・ワンスモア」台場
楽-1

christopher

お台場は平日の午後9時を回ってもまだ若者たちで賑わっていた。Decksのボードウォーク脇にはイルミネーションが輝き、その向こうにはレインボーブリッジと東京の明りが広がっている。真冬なのに、開放的な気分にさせてくれる街だ。「イエスタディ」はまたしても閑古鳥かと思いきや、若者のグループ客が数組あって、居酒屋のノリで大騒ぎしていたため、人口密度の割には騒音がすごかった。しかも、ヘビースモーカーが集まり、換気の悪い店内で次々とタバコに火をつけるものだから、まるでドライアイスでスモークをたいたときのように、ダウンライトからの光が白いスジになって見えるほどだった。

この日の料理にはすこしガッカリした。特にオマール。スチームでオーダーしたのだが、爪は水っぽく、ふっくらとした食感が味わえなかったし、テールはゴムのように硬かった。ステーキは運ばれてきたときには半ば冷めており、パサパサとしていた。サービスはよく行き届いており、フレンドリーで最近のホテルレストランには負けていない。

Y.K.