2000.03.21
郊外店
「聘珍樓」青葉台
楽-2東急田園都市線青葉台周辺は比較的新しい住宅地が広がり、これから開発が進む地域も多く残っている。緑が多く、ファミリーが生活するには申し分ない環境に加え、洒落た店や施設が増えてきたので、都会的でゆとりある生活を楽しむことができるのも人気が高い所以だろう。駅前は、郊外なのか都市部なのかどちらともつかない雰囲気があり、いつも活気にあふれている。駅から徒歩で数分のところに、文具の伊東屋をはじめとした幾つかのショップが入った「パルテ青葉台」があり、その2階に「聘珍樓」が入居している。はす向かいがお手軽イタリアンの「サイゼリア」だから、その流れで「聘珍樓」のメニューをのぞくととても高級店に感じるだろう。
コース料理を中心とした構成で、昼でも3,000円のコースを強くアピールしているし、しっかりとサービス料も加算される。今までこの店があることは知りつつも、なかなか利用する機会はなかったが、伊東屋に買い物に行ったついでにちょっと立ち寄ってみることにした。立派なエントランスではマネージャーの出迎えがあり、「ご案内します」の言葉に従いくっついていったが、途中で席が片付いていないことに気づき、入り口まで逆戻りさせられ、ウェイティングコーナーでしばらく待つことになった。エントランスでゲストを出迎える立場にあるのなら、店内の状態は完全に把握していなくては失格だ。
席をセットするだけなのになぜ10分も時間がかかるのだろうとイライラしているところへやっと「ご案内します」のお声がかかった。ここでもう少し丁重に「お待たせいたしました」の一言があればずいぶんと印象が良くなるのに、残念ながらあまり待たせることには抵抗がない様子だった。休日だからか、店内はとても活気があり、さまざまな客層でにぎわっている。インテリアはとてもモダンで中国料理店というよりは新感覚のダイニングのよう。オープンキッチンスタイルなのも面白く、下手なホテルよりはセンスがいいかもしれないが、客層とその服装が住宅地に隣接した店であることを物語っている。
テーブルには真っ白なクロスが掛かり、ハロゲンのライトがあたり、大輪のカトレアが一輪挿しに飾られ、とてもゴージャスなセッティングだ。テーブル内でも個々に違う飾り皿をはじめ、料理が盛られてくる皿もすべてウェッジウッド製という気の入れよう。サービスは素朴ながらよく気がつき好感が持てるものだった。満席の賑わいから考えると、ホテル以上の水準があるようにも感じ取れた。見掛け倒しが多い郊外店に塗れず、これだけのクオリティを維持していることはすばらしい。
Y.K..