1999.08.01
居酒屋
「なだ万雅殿」ホテルインターコンチネンタル東京ベイ
怒-1

この日も気温が高く食欲がいまひとつ湧いてこないので、できればさっぱりとしたものを食べたかった。すると、このホテルでの選択肢としては日本料理しかない。入口で人数を告げると、これから10名グループの予約が入っていて、そのグループと近い席になってしまうのだが構わないだろうかと尋ねて来た。どうしようかと思案していると、実際にその席を見てから決めてはどうかと提案してくれた。

その席のあるコーナーは通常4卓のテーブルが入る窓際のセミコンパートメントだったが、グループ客の席とは少々距離があったので、さほど気にならないだろうと判断し、そのまま席につくことにした。料理はあらかじめ入口のメニューで検討しておいた「昼懐石」5,500円を注文した。

ほどなくしてグループ客がひとりまたひとりと到着しはじめたが、こちらの料理は待てど暮らせど一向に出てこない。着物姿の女性サービス人が「お待たせして申し訳ございません」と何度となく声を掛けてくれるのが救いだったが、グループ客の料理を準備するのに手一杯であることがみえみえだった。

やっと出てきた料理は、日本料理のスタイルで提供される創作料理のようなもので、純粋な日本料理を期待していると大きく裏切られることになる。これは以前から承知していたことではあるが、改めて食べてみて、やはり首を傾げたくなる料理が多かった。また、だしがすべて同じなので、どれも後味が同じだった。

料理の不満はそれほどではなかったが、グループ客には多いに迷惑を掛けられた。10名程度の集まりでああまで騒げるのは学生だけだろうと思いきやとんでもない。どこかの会社の集まりのようだったが、年齢にも開きがある男女が入り混じって、ドンチャン騒ぎとはこのことだというハメのはずしよう。

こちらは会話をしようにも声を張り上げてもなお聞こえないほどだった。店にとっても気の毒なことだが、それをまったく見て見ぬふりの店側にも非がありはしないだろうか。

1999.08.03
お値打ちブッフェ
「レストラン翠渓」フォーラム246愛甲石田
楽-1

アマダの敷地内にある「フォーラム246」は、同社の研修施設として建てられ、当初は社員ならびに顧客専用施設として運営されていたが、現在では一般開放され、だれでも気軽に利用できるようになった。館内には4軒の飲食施設と、披露宴も可能な宴会施設、ならびに宿泊施設などを備えているが、元来利益を追求する必要のない施設だったため、いまだに採算度外視の外来利用客にとってはうれしい限りの価格設定で営業している。

なかでもとりわけ人気が高いのが「レストラン翠渓」のブッフェだ。昼1,800円、夜2,500円で豊富なアイテムの食事に加え、デザートやソフトドリンクまでフリー。サービス料が必要ないのも魅力。更にアルコールのフリードリンクについてもわずかな追加料金で可能だ。

「レストラン翠渓」はひとつのレストランが完全に2つのセクションに分かれており、一方では中華・和食のブッフェを、もう一方では洋食のブッフェを行っている。この季節、洋食のコーナーでは、トロピカルなイメージの料理を中心に提供しているそうだが、今回はオーソドックスに中華・和食のランチブッフェを利用してみた。

昼の営業は14時ラストオーダー、15時閉店ということになっているが、13時40分に入店すると、「2時には片づけ始めますので、取るだけ取ってしまって下さい」と急かされた。これがホテルだったら早速「怒−5」確定といったところだが、価格を考えれば、大衆食堂のレベルで考えなければいけないと思い、お行儀よく「はい!」と答えて、仰せの通りにとりあえず取るだけ取ることにした。

終了間際なので、すでになくなっている料理も幾つかあったが、それでも料理だけで20アイテムが揃っている。海老チリや豚の角煮などの定番料理が中心で、鉄板焼コーナーでは目の前で牛タンや帆立を焼き上げてくれるパフォーマンスもある。味は特別おいしいとは言えないが、値段だけの価値は十分にあるだろう。

デザートには10種以上のケーキ、4種のアイスクリーム、5種のフレッシュフルーツの他、白玉あずきやかき氷も用意されている。ソフトドリンクのコーナーは、ちょうどガストのドリンクバイキングのような感じで、ソーダファウンテンやコーヒーのデカンタなどがあり、自由に楽しめる。客はほとんどが主婦層で、信じられない量を平らげながら、楽しそうにおしゃべりに興じていた。価格といい、雰囲気といい、今時なんともありがたいレストランだ。

Y.K.