1999.05.04
兜型ケーキ
「ロビーラウンジ」ホテルイースト21東京
喜-2オークラホテルズ&リゾーツの一員になってからは初めての訪問だった。ちょうど11時過ぎに着いたので、まだチェックアウトの行列が残っており、前日からの混雑ぶりをうかがわせていた。ロビーに入ってまず驚いたのは、従業員がみな「いらっしゃいませ」と声を掛けて来るようになったことと、従業員の動き方にキビキビとした感じが出てきたことだ。申し訳ないがかつてのイーストではこんなにきちんとしていなかった。
従業員のちょっとした変化で、こうもホテルの雰囲気が変わるものかと驚嘆すると同時に、オークラの凄さを見たような気がした。どこかで軽く昼食でもと思ったが、魅力的な店は11時30分からの営業で、それを待ったのでは時間に余裕がなく、
ロビーラウンジでお茶だけ飲んで帰ることにした。ロビー全体を見渡せるラウンジは、大理石をふんだんに使ったゴージャスな造りで、中央には噴水があり、その四隅には妖精をかたどった金色のオブジェが置かれ華やかだ。座席はゆったりと配置されているので、周囲を気にせずくつろげる。
入口に立っていた黒服は比較的無愛想だが無礼というほどではない。サービスに当たる女性陣はにこやかで感じがよい。子供の日に因んで、兜のかたちをしたケーキがあったので注文してみた。おみやげ用には大きなサイズの兜ケーキも用意しているとのこと。
オークラになってから、プロモーションやプランの展開が上手くなった。ゴールデンウィーク中は夕食付きでひとり9,000円という宿泊プランもありお値打ち感を打ち出している。朝食は付いていないが希望すれば割引価格で利用できると書いてあった。その他、レストランでもオトクで魅力的なプロモーションが目白押しだ。
普段はバーとして営業している「エレファント」はゴールデンウィーク期間中に限り、隣りの中国料理レストランの別室として営業中だそうだ。バーの椅子テーブルでは食事をしづらいからと、バーの椅子テーブルをロビーに出して、宴会用のセッティングをしている様子だった。相当の気合の入れようで、今後がとても楽しみなホテルだ。
1999.12.28
イタリアンファニチャー
ホテルイースト21東京 Standard Room
喜-2都心からやや離れ、最寄り駅からも近いとは言えないこのホテルは、そのロケーションが災いしてか、はたまたイースト21というちょっとダザめのネーミングが災いしてか、宿選びの候補から外されてしまうことが少なくないのではないだろうか。ところが実際は、下町という環境からも、イースト21というネーミングからも想像できないハイクオリティで充実した設備を持ち、滞在する毎に期待以上の満足を与えてくれるホテルだ。
今回利用した客室はラックレートで25,000円のスタンダードルーム。オープンから7年以上、ほとんど内装に手を加えていないにもかかわらず古さや傷みを感じないのは、しっかりしたファニチャーを採用していることと、メンテナンスの良さ双方の賜物だろう。イタリア直輸入の家具はとても上質だが、国内に修繕を引き受けてくれる業者がないことが悩みの種だという。
客室面積は27平米と手狭な感じは否めないが、不思議と居心地はよい。ひとつひとつの備品に思い入れが感じられ、ユニークなアイデアがたくさん活かされている。逆に残念な点を挙げるとすれば、バスルームがビニールクロス張りのユニット式と味気ないことだ。タオルは3サイズ揃い、以前の幾何学模様が入ったデザインから、シンプルな無地のもの(インターコンチネンタルホテルと同じもの)に変わった。洗浄式トイレは一部客室にしか設置されていない。
また、室内のあちこちにポップアップスタンドの案内が置かれているので、目障りに感じる人もいるだろう。窓からの景色は都市景観がメインだが、南向きと北向きとで味わいに差がある。南向きならば遠くに都心の高層ビルやレインボーブリッジ、ディズニーランドの花火などが望め、日中は暖かい日差しに恵まれる。室内が明るいためか、廊下に出ると非常に暗く感じるのだが、壁のライトを残して天井のダウンライトを消しているのにも原因がある。特にエレベータホール付近はかなり薄暗く、まるで稼動していないフロアなのかと思うほどだった。
ベルサービス、ルームサービス、ビジネスセンターなども用意しており、シティホテルとしての水準を十分にクリアしているにもかかわらず、未だにビジネスホテルに毛が生えた程度だと勘違いされているのは気の毒だ。オークラの一員になったことで認知度が増し、サービスにより磨きがかかることを期待する。
最上階21階にある鉄板焼「木場」で昼食をとった。数種あるセットメニューのうち、スペシャルランチ2,800円を選んだのは、デザートとして隣接するラウンジ「パノラマ」でケーキセットが楽しめるとあったからだ。同時に2つの店を利用することができるのが魅力だった。鉄板焼「木場」の店内はとても小ぢんまりとしているのだが、大きなワインセラーがあり、従業員数も十分の本格派。
カウンター越しの大きな窓からは北側の街並みが望める。鉄板の前に立つ料理人も、礼儀正しい上にホスピタリティがあり、とても気分よく食事ができる。調理の手さばきは手際がいいだけでなく、実に丁寧だった。食事が済み、ラウンジ「パノラマ」に席を移してケーキセットを注文した。黒の皮張りソファが並ぶシックな内装のラウンジには、女性グループの姿が目立っていた。コーヒーのおかわりなども積極的に回ってきてくれるなど、サービスも行き届いていた。この状態が、満席時にも保たれるのならいいのだが・・・
鉄板焼「木場」にはお好み焼きランチ1,500円というのもある。他のお客さんがそちらを注文していたが、なかなかおいしそうだった。今度はトライしてみたい。更に別のお客は、昼から豪勢に最上級のヒレや活アワビなどを注文。それはそれは豪快だった。
Y.K.