1999.03.23
意外な眺め
「ベイビュー」横浜ベイシェラトンホテル&タワーズ
楽-2

横浜駅西口に98年の9月にオープンした新しいホテル。横浜駅からすぐという利便性はあっても、みなとみらいのホテルに比べ眺めがよくないのだろうと思っていた。しかし、最上階のレストラン「Bay View」からは、とてもいいアングルでベイブリッジを望むことができる。ということは客室からの眺めも期待できるわけだ。また次回このホテルを訪れる楽しみが増えた。

今回はなんとなく軽く昼食をとるつもりでこのホテルに入った。実際には、開業以来はじめてこの建物に足を踏み入れた。というより、生まれてはじめて横浜駅西口に行ったという方が正確だ。どんなレストランがあるのかも知らずに、とりあえずさっと食べられるものはないかと、館内をうろついてみる。

レストランカフェ「コンパス」はブッフェをやっていて、多くの女性で賑わっていた。空席待ちの列が出来ていて、入り口でまるでファミレスのように「○名様でお待ちの○○様!お待たせしました!!」とやっているので、パス。もう少しスマートな案内方法があるだろうに。

中国料理はなかなかしゃれたインテリアで飲茶セット2,500円というのがあり少し惹かれたが、とりあえず、他の店も見てみようと最上階へ。8階に日本料理もあったが、わざわざエレベータを降りる気にはなれず通過。最上階には鉄板焼、スカイラウンジ、スカイレストランの3店舗があり、エレベータホールにそれぞれのメニューを出してあるので比較ができる。

鉄板焼は4,500円から。スカイラウンジは2,800円。オードブルとデザートはブッフェというのが女性に人気らしい。そしてスカイレストランは3,500円から。結局スカイレストランを利用することにし、エレベータホールから回廊を通って3店舗共通のエントランスへ。そこでも店の説明をしてくれる。

店内はコンテンポラリーな内装で、夜になれば照明効果で少しは豪華に見せられるかもしれないが、太陽光のもとでは少々チープに見える。席についてまず感じたのは、音楽。洋楽のバラードを流しているのは結構だが、天井はめ込みのスピーカーのシャカシャカな音では聞きたくない。こういった音楽を流すなら、BOSEを設置すればよかったのに残念だ。

サービス陣は丁寧でにこやかだし、タイミングよくテーブルを見てサービスしている。ただ、食器類の手入れが悪く、汚れたシルバーやチップしたカップをそのまま出された。まぁ、指摘すれば申し訳なさそうに直ぐに取り替えてくれるのでいいのだが。

料理ははやりのニューヨークスタイル。オードブル、メイン、デザートそれぞれ数種類からチョイスでき、メインになにを選ぶかで値段が変わる。スープは1,000円プラスでつけることができ、その他にアラカルトもある。3,500円でサーモンなのに対し、牛だと6,000円で価格の開きが大きいと感じた。オードブル等はまったく同じだし、一番安いサーモンでも凝った盛り付けで十分楽しめる。

しかし、フルーツソースを魚や肉に対して大胆に使用しているが、やや相性が悪い感じもあった。サーモン対してベリーのソースを使う場合でも、まるでアイスクリームやヨーグルトに使うのと同じようなものを使っている。料理に合わせるにはその素材を引き立たせるための工夫が必要だ。見た目の良さだけでなく、味にも十分考慮して欲しいという感想。実際、はやりの料理法で、単純豪快なのがいいように思われがちだが、単純なものほど繊細さが潜んでいるものはないのだから、更に洗練させて欲しい。

余談だ、このホテルはラックレートこそ高くはないが、他の横浜周辺のホテルと違って、大胆な割引合戦には参加していないようだ。格別部屋が広いとか、サービスなどの付加価値で他の追随を許さないといったような目玉があるわけでもないのに、強気な姿勢だ。だからかどうかは定かでないが、客室の稼働率は低いように思われる。このままでは結局自分の首を絞めるようなことになりはしないかと心配だ。

しかし、婚礼の受注は順調だとのこと。やはり女性陣は新しいホテルがお好きのようだ。

Y.K.