1998.11.09
シャトーレストラン
「タイユバン・ロブション」恵比寿ガーデンプレイス
楽-1恵比寿の再開発地区に鳴り物入りでオープンした高級フレンチレストラン。この店に出かける人は、少なからず何かを期待して店の扉を開けることだろう。素晴らしい料理、洗練されたサービス、管理の行き届いたワインなどなど。常連ではないので偉そうなことは何も言えないが、少なくとも、このクラスの店に足を運ぶなら、あまりケチらないことをお勧めする。
昼間には5,000円というセットメニューがあり、見回すとほとんどのテーブルでそれを注文している。ワインにしてもグラス売りのもので済ませている場合が多いようだ。これなら諸税等も含めて一人1万円でお釣がくるだろう。さすが5,000円とはとても信じがたいようなよい料理が提供されているようだが、見たところ、この店の本当の魅力は現れていなかった。最低でも昼の12,000円の定食を注文しない限り、この店を味わったことにはならないように感じた。
サービスはやや堅く、かといってカッコよくもない。気取ってお高くとまった感じ。さすが!と思わせてくれることが何もないからマヌケに見えた。ワゴンデザートを切り分ける担当者は、風邪をこじらせたのか、鼻をものすごい勢いでじゅるじゅる吸い上げながらのサービス。そんな体調でも出勤するのは天晴れだが、客の前に出なくて済むことを担当したらどうだろう。デザートの一皿には鼻水のトッピングがあったかもしれない。
食後のお茶はアンフュジョンを頼んだ。どんな種類があるのかと尋ねたが聞こえなかったのかあっさりと無視され、しばらく後カモミールとミントのブレンドが運ばれてきた。これしかないんだろうなと思って飲み干すと、「おかわりはいかがですか? 他にも各種ご用意しておりますが…」と来た。最初から聞けよって感じ。
その後別室に移ってシガーを楽しむ。その間、室内にだれもいなくなる時間が多く、何か頼みたい時に様子をうかがってくれる人がいなかった。アランシャペルでメートルを務めたフランス人が総支配人として迎えられ、今後の向上に期待したい。彼は10年近く前、アランシャペルに通っていた頃のぼくを覚えていてくれた。随分老けたと言うのに!メルシー。
Y.K.