1996.12.05
シャンパンの王様
「パラッツォ」ロイヤルパークホテル
喜-5ロイヤルパークホテルでは、ワインをテーマに据えたイベントが恒例かつ好評だが、今回のテーマはドンペリニヨンということで、早くから注目を集めていた。やはりシャンパンの王様ドンペリニヨンは知名度、実力共にトップレベルだ。
ダイニングに足を踏み入れると、照明効果抜群にディスプレイされたドンペリニヨンの大小ボトルが目に飛び込んできて、席につくなりクーラーに無造作に冷やされているボトルから惜しげもなくドンペリニヨンが注ぎ分けられる。アペリティフからスープまでをキュヴェドンペリニヨン1988で通し、魚料理にはキュヴェドンペリニヨンロゼ1985を、続くメインディッシュには希少価値もあるといわれるキュヴェドンペリニヨンレゼルヴドゥラベイ1973がサーヴされた。
気取らないディナーなどで、シャンパンだけで通すことはたまにあるのだが、こうして3種のシャンパンを比較して味わう機会は滅多にない。シャンパンはもちろんのこと、この日は料理が実に素晴らしかった。数あるパラッツォでの晩餐の中でも1、2を競うほどに印象深く、また味わい深いものだった。
季節を迎えつつあるトリュフをふんだんに使った料理が主で、気が遠くなるほどに確かなトリュフの香りに、負けじと香ってくる堂々たるヴィンテージシャンパンは、まさにマエストロとヴィルドオーゾの競演を目の当たりにするかのような興奮だった。コンソメの底知れぬ透明度と凝縮した香りといい、季節の恵み以外の何者でもない素晴らしいヤマウズラといい、50年経っても忘れることない味わいだ。
締めくくりのミルフィーユはチョコレート色一色にコーディネイトされた盛り付けの美しさも然る事ながら、ミルフィーユの上にフォークを乗せれば、その重みだけでサクサクと切れてしまいそうなほどの軽やかな仕上がりで、本場フランスのミルフィーユとはまた一味違った、現代的な感性を駆使しての見事なデセールだった。サービスにも覇気があり、訪れる人を存分にもてなす構えと実力が両立した比類なきもの。文句無しの「喜-5」。
MENU
Amuse-Bouche
アミューズ・ブーシュEtuvee de Truffe de Celeri Rave au Foir Gras Poele
トリュフと芋セロリのエチュベ フォアグラ添えConsomme de Langoustines aux Truffes
手長海老のコンソメスープ トリュフ風味Filet de Barbue Cuite a la Vapeur aux Truffes
平目の蒸気蒸し トリュフ添えGranite du Jour
グラニテPerdrix Grise Cuite en Cocotte a la Truffes
やまうずらのココット仕上げ トリュフ風味Salade de Saison aux Herbes
香草入り季節のサラダFromages de France Frais et Affines
フランス産フレッシュチーズSoupe de Fraise a la Champagne
苺のスープ仕立て シャンパン風味Mille-Feuille de Chocolat Chaude a la Creme Glacee
温かいチョコレートのミルフィーユ チョコレートアイスクリーム添えCafe
コーヒーMignardises
小菓子Cuvee Dom Perignon 1988
Cuvee Com Perignon Rose 1985
Cuvee Com Perignon Reserve de l'Abbaye 1973
Manager:HISAYA TAKAHASHI
Chef de Cuisine:HIROSHI TAKAHASHI
Chef Sommelier:NORIO HAOKAY.K.